nyaro さんの感想・評価
2.7
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
短編にしては行間がないです。ヒロインは好き嫌いがあるでしょう。
絵柄から言って完全に少女マンガです。それもかなり古いローティーン向けの王子さまものの系譜でしょう。今は絶滅危惧種です。逆にこの作品をみて胸をときめかせるニーズはあるかもしれません。その少女マンガのエッセンスを1時間に凝縮したような感じがします。
つまりは感情移入するには瞬発力が必要なので、短編や短いエピソードで感動できるタイプの人向けです。
ただ、登場人物が言葉の裏の心情を読まないで言葉通りに受け取るキャラが多くて、非常に未成熟な感じを受けました。これを短編でやられると、全く話が成立しないです。特に肝心のヒロインがそうです。
それと、アニメ作品として、言葉の一つ一つ、行動、場面の一つ一つにまで神経がいきわたらないと短編作品は感動はないです。ストーリーはテンプレで、キャラもコマでしかありませんでした。つまりは行間がないということです。
おそらく本作は、内容から言って、対象年齢をローティーンからミドルティーン…くらいにしている、あるいはそういう少女向けアニメを踏襲してあえて作っているのかもしれません。以前の韓流がそんな感じでしたし。
その関係で定型に当て嵌めてわかりやすくしているだけかもしれませんけど。その意味では、あまりそこを突っついてもしょうがないかもしれません。
見るべき点が1つ。女子側の心情がちゃんと描けていたかどうかはわかりませんが、ライブチケットと恋愛を切り分けられるとこなどリアリティはありました。
男にとっては残酷ですけど、物品をくれる都合の良い親切な「お友達」としていいように扱われます。別にライブ誘われたから行っただけじゃんと反論されると返す言葉もありません。
好きな人がヤキモチやいてきてくれた―と見る人は幸いです。ああ…薄藤色の髪の彼…可哀想にと思うかどうかは感性あるいは経験でしょう。ヒロインは人の気持ちがわからないと取るとなんだこいつ?と思います。
要するに好きな人以外はどうでもいいということです。これを特にモテる女子は、悪気無く無自覚にやるから…あの薄藤色の髪の彼には迫真を持って同情します…心の底から。
この部分が象徴的ですが、ヒロイン役の子は男にとっては、自分の実体験のフィルターな気がします。自分が恋愛に勝ち組だった人にとっては可愛い子…そうでない人には…本作のヒロインにイラッと来た人はルサンチマンに気をつけましょう。
アマプラで配信終了の欄にあったので見ました。終了しても残念な気持ちはわかないかなあ。