てとてと さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
聖闘士星矢の前身的なトンデモボクシング。星矢と比べ、時代を超えて通用する内容ではない
聖闘士星矢より昔に人気を博した車田正美作品で通称「リンかけ」
第1作12話、日米決戦編12話、影道編6話、世界大会編6話で全36話。
【良い点】
友情・努力・勝利のジャンプ三原則を愚直に体現している。
特に友情面ではチーム戦多いためか、星矢以上に友情が濃い感じ。
ブーメランフックやギャラクティカマグナムなどの必殺技の外連味と勢い、主人公達のひたむきさ、気障な天才児などのキャラ配置、敵含めた独特なセリフ回しやピンチに追い込まれて逆転勝利など、後の星矢思わせる要素は流石。
一応ボクシングスポーツ物ではあるので、主人公たちが努力して這い上がっていくスポコンとしては悪くない。
特訓法が独創的で、ピアニストや古武術などボクシング以外の要素で強くなるのは面白い。
試合描写は並だが、敵のトリッキーな技(催眠術とか異能多い)や対する日本ジュニアの攻略法など、後のテニヌを彷彿とする可笑しみあり。
日本ジュニア5人と姉たち主要キャラの魅力は高い。
気障な天才児剣崎順、繊細な芸術家河井武士など、女性人気ありそうな華のある美少年たち。
ド根性一筋な石松、貫禄ある武人で長兄ポジの志那虎、そして主人公高嶺竜児とそれぞれ申し分ない。
女性陣も竜児、武士それぞれの姉たちが可愛く気高い女傑でステキ。
竜児の姉菊と、武士の姉貴子の、女同士のライバル関係と友情は良かった。
外国チーム戦は軒並みイマイチではあるが、石松対モンスタージェイル戦はベストバウト。
小兵が巨漢に苦戦しながら勝つ王道も良いし、試合後のジェイルの暗い過去と、石松の友情などドラマも良い。
日米決戦編は最終戦のブラック・シャフトが最強のライバル感あったり、全編で一番良かった。
主題歌は素朴だが好感持てる熱血ソング。全話主題歌統一したのも良い。
【悪い点】
全般的に展開がワンパターンで雑。その割に話数が多く、冗長に感じる。
かと思えば影道編と世界大会編は各6話しかなく駆け足。
大会はライバル出現→強敵感→口ほどにもなくアッサリ決着の繰り返し。
5対5のチーム戦で日本が早々に3勝してしまい、大将戦が消化試合なのは興醒め。
特に外国チームは大口叩いて全敗ばかり。この展開もワンパターン。
アメリカ以外のライバルが軒並みカマセなので盛り上がらない。
また欧米へのステレオタイプなヘイト描写が目立つ点も時代遅れ。
昭和プロレス的な?悪い外人レスラーを正義の日本がやっつけるノリに近い印象。
盤外の卑怯が多いのも不愉快。
アメリカは強いのでまだマシだけど、他が弱過ぎてカマセにしかなっていない。(キャラ評価減)
世界大会編はたった6話しかなく、酷いダイジェスト。最強ギリシャがソードマスターヤマト状態。
試合描写が単調。
苦戦→必殺技で大勝利ばかり。
これ自体は王道だからいいんだけど、ルールありのボクシングという題材と相性よくない感じ。
総じて第一作のクライマックスと日米決戦編は良かったが、他がイマイチ。
【総合評価】4~5点
36話視聴意欲が続くくらいの魅力は確かにあるんだけど、新規で全36話視聴する価値は微妙。
少年ジャンプ往年の看板だった名作ではあるけれど、古臭さが否めず。
原作漫画はともかく、アニメ版の人気度がイマイチなのも頷ける。
評価は良い未満の「普通」