てとてと さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
B.J.の外伝?的な、女医主人公のトンデモ医療サスペンス。諸々惜しいが捨て高い
謎の医師(ブラックジャック)にチート眼力授けられたヒロインが、悪の組織が仕掛ける怪奇な奇病を手術したり、組織の闇に迫っていく。
【良い点】
かなり奇想天外な医療トンデモサスペンス、真面目な医療ドラマというより、破天荒なエンタメ作品として面白い。
看護師さんたちがヤクザを圧倒したり、片足の院長が杖で竜巻回転で無双するなど、そういう破天荒さを楽しめる人向け。
ストーリーはシリアスだがキャラの良さと、良くも悪くも雑なシナリオ故か、ストレス感少なく視聴できる。
前半は主人公の女医レイが、奇想天外な難病奇病に立ち向かうが、難病が怪奇ホラー寄りで怖い。
水中でオペしたりの奇抜なシチュエーションも。
手術シーンよりも、手術に至るまでのシチュエーションと、手術を通してレイが自分と向き合うドラマが良し。
縦軸ストーリーとして黒幕のHリングの男によるイカれた野望と、レイや同じ境遇の元子供たちがアイディンティティーや愛憎劇が終盤の見所。
クローンや人格移植などの医療サスペンスとして凄味あり。
黒幕がマザコン拗らせてレイ含めた大勢の子供たち犠牲にして母親を造る狂気が凄まじく、それに翻弄されつつ自己の生き方を模索するレイや支える彼氏のドラマも良かった。
作品テーマとして、クローンや作られたり移植された命の価値、アイディンティティーの在り方を問う内容。
十分描き切れていたかはともかく、そういうテーマに挑戦したことは捨て難い。
前半に多い奇病の患者たち、後半以降の黒幕に造られた人格たちの悲哀など、完成度はともかく考えさせられる。
キャラは飄々とレイを支えづけた彼氏(彼の片思い)篠山が良い男。
こんな事もあろうかとと超技術なお助けキャラだけど、特殊な境遇故に苦悩するレイを常に傍で支え続けた。
恋愛っ気薄いレイの代わりに愛の深い女性陣も可愛い。
破天荒な病院の面々も良かった。
キャラ作画は普通だが奇病描写のグロさ、一部のアクションのキレなど、見所は多い。
楽曲は合っているかはともかくスタイリッシュ。
【悪い点】
手術描写がイマイチ。
レイのチート能力(透視)も十二分な見所になっていない、凄さが分りづらい。
手術が見せ場になっておらず、1話完結系としては消化不良な話が多い。
患者との交流が浅め。
主にレイが自分を見つけるドラマ重視なためか。
キャラも看護師組とかアカリボンとか、良さげなキャラを十分掘り下げておらず勿体無い。
アカリボンちゃん可愛かったけれど、女子が同居してるのに百合と言わずともキャラドラマが希薄。
Hリングの男やコーイチ関連の掘り下げが浅く、終盤も雑さが否めず。
各キャラのドラマが説明不足多い。
1話完結としても、レイの幼馴染の巫女少女とか、手術だけしてそれておしまい、物足りない回が多い。
終盤は医療無関係の暴力闘争ばかり。
【総合評価】4点
粗が多く、不評もやむなしだけど、13話飽きさせない魅力はあった。
層の厚い2006年ではイマイチな方だけど、嫌いじゃない。
評価は良い未満の「普通」