まにわに さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 2.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
セカイなキブン
{netabare}ここの感想でもちょくちょく見られるセカイ系について調べたら、まんまだった。
一応、止まない雨が無いと有り難味がない話、とか考えながら見たけど、誰にとって雨が止まないのか、止まない雨が主人公が原因、もしくは原因がないとすると、セカイ系確定という判断になる。
これを見終えて、私は、笑う犬の「トシとサチ」を思い出した。
自動販売機の側に水溜りを張って、
「俺…止まない雨を止められると言ったら、どう?」
「好き」
というコントを尺5分で見せられても、同じ視聴後感になるのではないか。
実は私、あのコントがあまり好きではなかったりする。理由は、セカイ系のwikiにある否定的な意見と合致する。
一方で、面白いとも思っていたし、世間的には受けるのだろうなとは思っていた。
セカイ系が醸成された時期と重なるようだし、主人公が自分だけの狭い世界で粋がって、それをヒロインが全肯定する世界観、とくに場のディテールが天と地ほどの差なのに、どことなくよく似ている。
あのコントがセカイ系だと気付けたのは、このアニメを見てよかったと思える唯一のことかもしれない。
セカイ系の特徴として、気分で話が作られる、というのがあろうかと思う。
戦車をずらりと並べたり、拳銃を拾ったり。司令が威圧的だったり、警察手帳を誇示したり。拍手でおめでとうだったり、やたら多い挿入歌だったり。前作の登場人物とか、気分でしかない。
気分なら天気で話にできる構想はよいが、明らかに、
天気<セカイ
こんなんだから、やはりセカイ系は好きになれそうにない。
{netabare}この見立てだと、クライマックス前後で降る降らないのルールが変わった(つまり世界の形が変わった)ことになり、かなりクソな主人公像になる。となると、冒頭に語られる、彼女の受け売りでしかない、主人公のナレーションが、相当おぞましい意味を持って響いてくるのだが。
伝聞にある新海誠の評判からすると、そのように作られていてもおかしくなさそうだが、どうなの?{/netabare}{/netabare}