ねるる さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:----
ジブリへの高い壁。新海監督が描く、星を追いかける少女のお話。
新海誠監督作品。2011年劇場公開。上映時間116分。
アクションファンタジー作品。
少女アスナは少年シュンに出会う。少年と打ち解け心を開きかけた時、少年は突如姿を消してしまう。少年にもう一度会うため、少女は失われたはずの地下世界を旅する事となる。
"死"にとらわれた人達が、もう一度"生"を追いかける物語。
死生観を考えさせられる中々に好きなテイストの作品でした。
様々な事情で今を過ごす自分を顧みれなくなっている人物が、改めて死を身近に感じることで、今を生きる覚悟を決める様を描いてるように感じました。難しい用語や神話や伝記の話が出てくるのがちょっとまどろっこしいけど、描きたかったことは伝わってきた。生と死の門に向かうために胎の中に入って堕ちていくシーンは意味深で凄く好きな表現でした。
物語自体は結構好きな作品なんだけど、ずっーと終始気になって仕方なかったのは、ジブリっぽいってこと。
始まりから終わりまでずーっとジブリ感。トトロだしナウシカだしもののけ姫だしラピュタだし耳をすませばだしゲド戦記。もはやカリオストロ感もあるから宮崎駿じゃんってなる。
キャラクターも、背景も、セリフもどこかで見た事あるような聞いたことあるようなものばかりで、そこはどうしても気になった。ジブリと共に育ってきたから、全てのシーンに既視感ありあり。
声優について、プロの声優を起用してますが主人公の声は高すぎてあまりあっていなかったと思う。とっても可愛いし上手いんだけど世界観と噛み合ってなかった。ジブリだなと思ってみてるから尚更アニメ感強い主人公ボイスに違和感ありました。
新海誠監督作品と思って見ると、初期の作品の『秒速5センチメートル』や、次作『言の葉の庭』とも全く違うテイストの作品で驚くと思う。アクションシーンが多いし、特徴である光や水の描きがあまり強調されていません。生と死、神話、星、といった監督の好きな要素も確かに組み込まれてるけど、他とは違う特殊な作品に感じました。
自分がジブリを1度も見た事がなく、初めてこの作品を見ていたならもっと、純粋に物語を楽しめたし評価もかなり上げていたと思います。
宮崎監督の壁、ジブリの壁ってすごく高いんだなって改めて思いました。