lumy さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
体感時間がすごい。
最初は映画館で観るつもりではなかったのですが、
CM+あにこれ効果はすごいですね。
つい気になってしまい、鑑賞してしまいました。
視聴し終わった後、一番最初に思ったのは、
昔の新海作品にだいぶ戻ったな、ということです。
「君の名は」は作画が新海節を全面に押し出していますが、
物語の展開やセリフなどは、だいぶプロデューサーの
川村節が色濃く出ていて、すごくキャッチーな仕上がりでした。
「天気の子」もどちらかと言うと君の名は寄りでしたが、
「すずめの戸締り」は、劇場で配布される冊子に記載のとおり、
新海監督がやりたかったことを全力でシナリオに表現した
ような作品となっています。
そして、私が思う新海節とは、シナリオにおける「言葉足らず」
を圧倒的な作画で視聴者に想像させるということなんです。
本作は、たぶん新海監督が表現したかったことが多すぎて、
前半は駆け足な印象があり、後半もやっぱり駆け足気味なため、
足りない部分を視聴者が補う必要があると思うのですが、
不思議と本作は、核になるメッセージが伝わってくる。
それは、本作が3.11をテーマの一つとした作品であり、
それを経験した視聴者が自身の記憶を呼び起こすことで、
作品の評価に必要な「共感」が生まれているのだと思います。
そして、あの3.11を表現することが許されるのは、
相応の実力がある表現者でなければいけないのであって、
もはやアニメ監督の巨匠になった新海監督は、
{netabare} (ルージュの伝言とか夢の中へを使えるのはその証?) {/netabare}
本作できちんとそれに応えてくれたと感じました。
それにしても、詰め込み方がすごくて、
2時間の鑑賞時間はあっという間でしたけどねw
点数自体は低めの評価ですが、
映画館と同席した人たちとも共感できるという意味で
足を運ぶ価値がある作品だと思います。