nyaro さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
JKへの劣等感、ディスリでの自己肯定、ルサンチマンアニメかな
創作活動全般、特にアニメ、ゲーム、アイドル、マンガ、TVのパロディ、特に制作者たちに対して視点を変えて…特に冷めた視線で見たとき、そこに滑稽さを見出した、ということでしょう。
要するにサブカルをメタ視点で見た場合の、セルフパロディと言えるでしょう。
例えばフエルト人形を作るときに、針で沢山ブスブスと刺しますが、これでケバがなくなりフエルトが固まり形がしっかりするみたいです。ただ、可愛い人形を作っているはずなのに、針を刺すという行為が傍からみると笑えるし、残酷なんじゃないの?みたいなことでしょう。
妙に少女マンガマインドをディスってましたが、まあ、見つけやすいんでしょう。
もう1つの視点として、女子高生の行動、価値観の奇妙さを笑う…というより「可愛い」となんでも言うことを相対化していると言えばいいのでしょうか。女子高生同士の口コミ…他人の意見でしか価値観を計れないということでもあります。
その一方で、自分たちの世界観で価値判断をしているので自分たちのすべてが正義になってしまう無敵さも表現していました。
全体として不条理、ナンセンスに見えますが、かなり1つ1つのエピソードの意図は明確で、どの方向に悪意が向いているのかは考えればわかるようになっています。
原作付き?なんでしょうか。原作者は女性になにか嫌な思いででもあるんでしょうか。
一方で、アニメ視聴者をディスっているように見えて、出典がわかるようなパロディも入れて、ディープなオタク層に媚びているような匂いもします。アニメオタクなどが自虐的になっているように見せながら、自分たちの視点を自己肯定しているような見方もできるかもしれません。
女性たちを滑稽だと笑って、自分が女性と縁がないことを言い訳している感じもあります。
仲間意識が強烈に働きそうです。ニコニコとかで見て、コメント付きで盛り上がる感じなんでしょう。
ということで、オタクの女性に対する劣等感の裏返しのミソジニー、クリエーターへのディスリによる自己肯定感を共有して、盛り上がるアニメなんでしょうね。
一方で当事者から完全に外れた人が見た場合、または渦中のJKやクリエーターが見た場合はどう感じるのでしょうか?ちょっと気になります。
面白くなくはないですが、劣等感と自己肯定、ルサンチマンが見ていて痛いアニメでした。