ぽにぃ さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
国民的アニメ監督のスターダムを駆け上がる新海誠
【総評】
君の名は。で一躍有名になり、天気の子でその地位を確立した新海誠の最新作。
宣伝の映像から漂う「星を追う子ども」感は、新海誠のジブリコンプレックスを感じさせたが杞憂だった。
新海誠自身も、本作について「魔女の宅急便」の影響を受けていると話している通り、
ジブリを意識してはいるのだろうが、本作では圧倒的な背景美術と視聴者を盛り上げる演出とタイミングという
彼の武器が存分に発揮されていたと思う。
いわゆるセカイ系作品の閉じた人間関係とそれに付随するモノローグメインの心理描写を捨て、
国民的アニメ映画監督、ポストジブリの筆頭になったといっても過言ではないかもしれない。
以下、各評価基準ごとの詳細
◎物語の評価◎
宮崎を出て日本各地を巡るロードムービー
非常に良くまとまっており、冒頭の鈴芽の夢の回収もさすが。
「君の名は。」以降、新海誠は作中に東北の震災を示唆するような
災害の描写を入れることがお決まりとなりつつある。
本作のそれはやや露骨すぎる感は否めないが、先の震災の記憶を風化させまいとする意志を感じる。
◎作画の評価◎
安心と安定の背景美術。
廃墟と空と水と光を自然な形で作中に出しまくれる設定の勝利という感じ。
◎声優の評価◎
鈴芽役の原菜乃華さんをはじめ終始すばらしかった印象。
◎音楽の評価◎
相変わらず劇中楽曲の主張は激しいが、
過去2作ほどRADWIMPSのゴリ押し感(MV風演出)がなかったのが非常に好印象。
◎キャラの評価◎
主人公の鈴芽、めっちゃアクションシーンのある椅子、
戸締まりの旅を各地で支えてくれる人たち、タマキさんと魅力的な登場人物が多い。
特にダイジンのデザインと演技の不気味さは天才だと思う。
各星の数は3つを基準に下記で採点。
★☆☆☆☆:好ましくない
★★☆☆☆:やや好ましくない
★★★☆☆:可もなく不可もなく
★★★★☆:良い
★★★★★:群を抜いて良い