栞織 さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
2002~5年度作品とは思えぬ出来です
原作はもちろん知りません。公開時にアニメ誌で拝見していて、当時シリーズ中の1巻ぐらいは見たような記憶がありますが、全体を見ていなかったので当時は今ひとつでした。ツタヤのレンタルでも人気作品だったと思います。しかし20年ぐらい前の話で、今ではそのようなレンタル店が存在したことすら忘れられているようです。
今回dアニで最終話まで見て、すごくディティールまで丁寧に作りこまれたハードSF作品だったことがわかりました。SF映画でこの手のものは、私は惑星ソラリスぐらいしか知らないのですが、敵のジャムの効果音などにソラリスで使われた音がかぶせられていて、うれしく思いました。物語の感じもソラリスとよく似ていますが、もっと異生命体が悪意のある存在で、そのあたりが本当に見ていてすごかったです。それが英国のダークファンタジーの妖精童話的な部分もあるので、戦闘妖精というタイトルになっているのかと思いました。特に最終巻にあたる話は、戦闘場面がすごかったです。CGを多用していますが、それが本当に先進的な使われ方をしていました。当時としては画期的だったと思います。
物語としては主人公の零が特攻して最後死んだのかどうかわからないように終わっていますが、あえて希望をあまり残さないのも、この手のSF作品としては綺麗な終わり方だったのではないかと思います。実際もしこのような外敵に地球が襲われたとしたら、ゲートが閉じられたということぐらいしか解決策は見いだせない気がします。そのあたり非常に現実的だということです。
作画は本当に美しくて、メカは細かいですし多田由美さんのキャラデザインの通りに動き、よく作画されています。まだの方は必見の作品です。