nyaro さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
感動ポルノだろうという先入観は怖いです。
先入観とは怖いもので…泣かせるためだけの感動ポルノアニメなんだろうと思って、意地でも見なかったんですけど、そろそろいいかと思い視聴。かなりいい話でした。
結末に向かって話がどう収束するかは想像がつきますので、ボロ泣きという感じではないですが感動は大きかったです。ボロ泣きしないということは、話がよくできていて特にキャラたちの気持ちが劇中で読み取れたということでしょう。 ボロ泣きって結局泣かせる型と雰囲気の事が多いですから。そうでないものももちろんありますけど。
それにしても、泣かせる話と同時に泣くこと=別れを受け入れることがテーマだったとは…
つまり、最後登場人物たちが泣く必然があって、なぜ泣けないのか、泣くべきなのか、泣くのか、泣いた結果というプロセスを丁寧に見て行く物語です。その点で涙に必然性があります。成長と感情とそして新たな人生への出発が描けていたと思います。
見ている側の感動は、物語そのものに感動する…別れ、死別、再会等々の泣かせるためだけの感動ポルノではないということです。
1クール11話という短めで潔く終わったのはいいですね。いいたい事を言い切ってストーリーもきちんと構成されて話も面白く終わった感じでした。
過去との決別…特に死者との決別で、主人公の母とメンマの対比が良かったです。また、メンマの母がここに加わることで、死者に対する家族側の想いが非常に鮮明に描けていたと思います。
仲間に関しては、秘密基地、日記帳、ゲームなどの小物の使いかたも秀逸で、5人というか6人の関係性、気持ちがよく表せていました。過去回想も無駄がなかったです。
これが合わさって、ここは有名でもネタバレにしない方がいいと思いますが、ああいうバッドエンドだけどハッピーエンドというもやもやが残りながらも、希望が見えるような感じはたまらなかったです。
メンマが本当に実在するかですね。
{netabare}「ヒカルの碁」のサイと違って、痕跡があるのがなかなかの工夫です。2重人格かとも思いましたが、料理と字がありました。女装の彼の話も旨かったです。これも下手な使いかたをすると、お話のためのお話でしたが、本物のメンマと偽物と対比させることで、幽霊メンマの実在がかなり印象的になりました。{/netabare}
黒髪メガネの子の最後のシーンの髪飾りとショートヘアです。これは失恋してメンマを受け入れて、あの茶髪の男の子と上手くやってゆくという暗示でしょうか。そして、この子はいつも電車に乗ってました。電車はエヴァでも良くのってましたけど、不安、不満、悩みとかの象徴なんでしょうね。
茶髪ツインテールの子は、ツンデレ素直過ぎて痛いくらいでした。ビッチ可愛くて最高でした。ちょっと全部セリフで言い過ぎな気もしますがそういう性格なんでしょう。最後主人公はハンカチを渡してましたけど、あれはごめんなさいで涙を拭けってこと?ブッ叩かれてましたし。逆にも取れますけど…どうでしょう?再視聴の機会があれば確認します。
結果的にはみんな主人公が好きだった感じなんでしょうか。あるいはメンマに対する嫉妬?ここの部分だけちょっと盛りすぎというか不自然な気もしましたが、現在まで引きずる想いがないと話にならないし、個々をダラダラ描かなくて短めに終わったのがかえって良かったのでしょう。
とにかく1回目はこんな感じです。2回目見るのが辛くなるかというと、そうでもない気もします。やはりちょっとキャラ達は良くできているが故の作り物感はありました。遠からず再視聴する…かもしれません。気が付くことがあれば追記します。