てとてと さんの感想・評価

4.1
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

釘宮ボイスなツンデレお嬢様が抜群に可愛い学園ラブコメ。ラストの選択が腑に落ちないのが難

釘宮理恵お嬢様と平野綾妹のダブルヒロインと同居する主人公が、ドタバタ学園コメディーとラブコメをする。
※作品データベース様より転載一部修正

【良い点】
ダブルヒロイン、片桐優姫(ゆうひ)と長瀬湊(みなと)の可愛さが抜群。ベタな属性ながら確固とした萌えを出せている。
キャラ描写一つ一つはテンプレながら丁寧に積み上げて、独自の魅力に昇華。
他愛のない学園コメディーの合間にも、優姫と湊の揺れ動く気持ちや可愛さをさりげなく積み重ね、回が進む程に魅力増してくる。
ラブコメもコメディーも、どこかで見たことのあるようなベタの連続ではあるが、奇をてらわず極自然に好ましい作風を作れている。
サブキャラも皆粒揃いで性格が良く、掛け合いのテンポも小気味良い。
10話以降の切ないラブコメの勢いはかなり良かった。

恋愛ゲームの理想的完璧妹ちゃんも良いが、ツンデレお嬢様な優姫ちゃんが特に萌え。
庶民の家で生活する中で見せるポンコツぷりや、長瀬兄妹の前だけで見せる素直さなど、随所に萌え所満点。
キャラデザも好み、表情崩し多用する感情描写も可愛い。無論くぎゅヒロインという点も超大事。
一見釘宮ヒロインのテンプレに見えるが、抑え気味の奥ゆかしいキャラ付けは他釘宮ヒロインに決して引けは取らない。

優姫ちゃん自体が可愛いので、展開のベタさが欠点になっていない。
主人公は極平凡だが、優姫ちゃんが少しずつ彼に惹かれていく描写はとても丁寧。
湊ちゃんとのユウジョウも尊い。修羅場になりかねない展開でもユウジョウは終始崩れなかった。

ラストの顛末、主人公準一が、はっきりと答え出して選んだのは評価。
正直釈然としないけれど、湊ちゃん実妹ではない?とか、優姫ちゃんもまだ諦めてない、恋の行方はまだ分からん…
含みを持たせていて悪くはない纏めだった、とも取れる。

作画はキャラデザは勿論、料理描写がこの時代にしては結構良い。
絵は綺麗ではないが、料理下手な優姫が一生懸命作った、友人たちも含めて楽しく食事する雰囲気の良さがちゃんと出せている。
こういう描写は結構大事。

複数あるEDなど楽曲が凝っていた。

【悪い点】
カオス気味なドタバタコメディーに尺を割き過ぎ、本命のラブコメ、特に湊ちゃんの描写がやや疎かに。

優姫ちゃん除く個々のキャラの掘り下げも足りていない。
個々の場面は他愛が無く、1本のラブストーリとしては終盤に詰め込んでいて唐突気味。
全体の構成がややとっ散らかっていた感はある。

評価が割れるであろう、ラストの顛末。
視聴者目線では優姫ちゃんの方が順調にフラグ積み重ねていた矢先の結末なので、やはり釈然としない。
予想を裏切り期待も裏切った感。
湊ちゃん側の描写が足りていないので、主人公の選択に説得力不足が否めない。

両親や主人公にまつわる謎など未解決要素。
この点は許容範囲。

【総合評価】7～6点
良作というには難が多いけれど、釘宮ヒロインの可愛さが傑出しており大変捨て難い。
顛末もギリ許容範囲…いや、やっぱり可哀そう。
評価は「良い」
結末が納得できていればとても良いだった。