蒼い✨️ さんの感想・評価
3.1
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
覗き見気分。
【概要】
アニメーション制作:feel.
2017年4月 - 6月に放映された全12話のTVアニメ。
監督は、岸誠二。
【あらすじ】
川越私立第三中学校の新年度。
クラス替えで同じ3年1組になった、文芸部部長の安曇小太郎と陸上部の水野茜は、
偶然に家族連れでファミレスで出会ったり、運動会の用具係で二人っきりになるなどで、
お互いの存在を強く意識するようになり、満月の夜に川越熊野神社の境内で小太郎が茜に告白。
晴れて二人は交際することになった。
初めての彼氏彼女なので、お互いにわからないことだらけだったり、
つきあってるのを周囲には秘密にしていることから、恋愛がらみで不本意なことが起きたりで、
いろんなことを乗り越えて二人は仲を深めていくのだが、
中学卒業が近づくにつれて進学や生活環境の変化などで離れ離れになり、
今みたいに一緒にいたりデートしたり出来ない問題に直面することになり、
小太郎と茜の顔が曇ることが多くなるのだった。
【感想】
恋愛アニメなんて、どこが面白いのだろう?と思うと、
魅力的な男性キャラとヒロインがいて一緒になれて良かったね!
な幸せのおすそ分けで錯覚でも幸せ気分になれることでしょうか。
魅力的なライバルキャラがいて恋の鞘当てがあってライバルキャラにも感情移入してしまう。
それが自分が従来、アニメに求めているパターン。
この作品の場合は、アニメ的な言い回しや笑いを取る展開などを極力避けて、
恋愛初心者中学生カップルが赤面してもじもじしてるのを濃度100%で視聴者にお届けして、
自分が中学生時代こんなだったなと思いだしたり、こんな恋愛したかったと悔やんだりで、
感情移入するものらしい。なお、カップルで鑑賞してイチャつくネタにするのも良いかもしれない。
京都アニメーションの『たまこラブストーリー』にインスパイアされて作ったアニメだそうですが、
自分には、そのイチャイチャが過多すぎて友情や親子などの関係の描写が補助的なものでありますし、
実は『面白くないなあ』と何度も声に出してしまいまして見続けるのが無駄にダルかったですね。
インスパイア元のアニメはカップル成立までの話で、こっちはカップルになってからがメインなので、
元から性質が違うものかもしれませんけどね。
こちらは、各話サブタイトルが文豪の小説の表題由来なのが気取って見えますし、
主人公の小太郎は自分の恋愛感情をモノローグするのに、
太宰治からの引用だらけなのがナルシストっぽい。
クラスで3番目に可愛い設定のヒロインの茜が小太郎と同じ顔!!
小太郎に惚れる女と茜に惚れる男が別個に一人ずついるのですが、
もともと地味なキャラデザのアニメですが、このふたりはモブみたいなキャラデザで、
それぞれが当て馬以上の存在意義が感じられなかったりで、
特に魅力的とは思いませんでした。
小太郎の友人枠のクラスメイトのピンク髪男とか柔道部くんも自分にはモブと変わらないですし。
運命的な出会いもなく、なんとなくお互いが気になってたのが恋愛感情に発展して、
つきあっていくのがリアルと言われてますが、茜の相手がどうして小太郎なのか?
小太郎のスペックとかイケメン度の高い低いは関係なくて、
女性は自分の理想や気持ちを押し付けて同調圧力の強い男性を避けますし、
自分がその時時に一番欲しい言葉を投げかけてくれる男性に好感度を上げていくという、
恋愛の教科書どおりとも言えるシナリオ。
ずっと前から自分を好きだった陸上部部長の比良の言葉に茜が全く靡かずに、
自分に気持ちに寄り添ってくれる小太郎を選んでしまうのも、上述のとおりであって、
似たような女性を実際に知ってます(結局は男性が依存心強いグウタラなので別れましたが)
ので、話としては理解は出来ます。それでも見てても楽しいアニメではなかったかな。
千夏が何故、小太郎に惚れたかはよくわからなかったですね。
一応は茜の親友設定でして、茜の心をかき乱すための単なる当て馬ですかね。
恋叶わずに泣いてる千夏がいる一方で、小太郎と茜のキスシーンが多いですし、
ため息と『ん…』『あ…』と吐息を二人が多用していまして、
それが感情移入できるどころか、電車で見せつけるようにイチャついてるバカップルを、
スマホで撮影して配信してるのと同じようなものとしてしか自分は認識できませんでしたね。
未成年の中学生独特の稚気であるとか、お互いの恋愛対象しか見えない狭い半径の感情であるとか、
そういうのは上手く描けてたとは思いますけどね。
ただね、現実の人生において、上手くいかないこと、辛いことはいっぱいあるのですが、
大人に庇護されていて将来の可能性が閉じてない小太郎と茜の心の痛みみたいなものが、
別にどうでもいいと思った自分は薄情ですかね。恋が終わって一度は心がチクチクしても、
なんとかなるって、実はありふれていることですしね。
このアニメでは毒親やイジメが全く無くて悪人が一人も存在しませんし、話せば分かる良い人ばかり。
温室のような環境で恋愛のことで頭がいっぱいで寂しさで泣いてばかりの終盤の茜が子供だな!
っと思ってしまうばかりでして、彼女に共感することが無かったですね。
人のために流す涙は美しいですが、
茜の場合はまるで世界が終わるかのような表情で自分のことで泣いていますもの。
・これが90分映画ならともかく、1クール12話でイチャイチャを見せつけられ続けるのは長すぎた。
・新海誠っぽいラストシーンは良かったですが、
最終回ED後の1分間でふたりのその後の「交際・結婚・子供出来る」を全部見せるのが蛇足。
どうなったかを想像させる象徴的なワンカットで充分。
・本編Cパートのクラスメートの恋愛事情コメディが単なるパリピのリア充自慢でつまらない。
非常に好評な恋愛アニメのようですが、
他人の痴話を陰から覗き見してるみたいなのが今回は好意的に感じられなくて、
キャラの心情に一喜一憂できなくて自分には全く合わない内容でしたね。
これにて、感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。