rSfTR77246 さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
君はイザナミが元気な女の子と知っていたか
最終話の最後の一コマを見てすぐの興奮冷めやらぬ中書いています。
レビューを見てる奴ら、ネタバレ見ずにいいから本編見ろ。声優も映像も展開も音楽もいいですよ!
(このレビューの後半からネタバレ含みますmm)
この作品は、レビュー点の低さから見てヒロインと可愛さとは裏腹におそらく硬派向けです。流行りの媚びる系女の子のエッセンスは少々です、序盤でそのエッセンスが投下されるので硬派は離れて、単純な男がつられるせいで評価が低いのではと思います。
(僕も最初は1話の数分で見るのをやめました;;)
さて、今作品は攻殻機動隊のような短いスパンの歴史考察要素やジブリ的の神話感や巻き戻りでお馴染みシュタゲ要素など今までにない組み合わせが試された作品です。
物語の序盤はよくある小さな地域の俺つえーハーレムものかと思いきや、いつの間にか神話と時間軸の動き、売れっ子小説家による解説まじりのストーリー展開が巻き起こります。
いつもはながらアニメですが、この作品は一コマ一コマ食い入るように見入って、ここはあの神話から来ていそうとかここは何話前のあそこのシーンと関係があるみたいに一気見してしまっていました。
(アニメや漫画をそれなりに見てきましたが新たな設定が結構出てくる印象)
見入った一つの要因ではあるんですが困るのはホラー要素、途中で、地域もの特有の怖さがあり、苦手な感じもしましたがそれでもとにかくキャラがいい!調べたらよく出てくるヒロインのスク水はこのキャラの特攻服なので気になさらず。
そして最後に大事な部分として音楽がいい!
OPとEDにハズレなし、もちろん挿入歌も!あまりアニメで気にしない要素かもしれませんが、音楽はアニメでほぼずっと流れています。歌に限らず。それが好みということは製作陣と好みが合うと個人的には思っているので、そこが合うだけでも僕にとっての神アニメ確定です。また何度でも見ると思います!
それではネタバレありのレビューでもしようかね。
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{netabare}
25話のラストは今まで見た全ての物語を超えた。
個人的には、エウレカや亡念のザムドのようなボーイ・ミーツ・ガールもの理想系の結局なんやかんや生存し、くっつくというものが好きだ。この作品はその最高峰、最高得点を叩き出し、もう越えることのないようにさえ思える。この作品はもっと評価されるべきだし、原作ももっと持ち上げてほしい。最終話はタイムリープ物だからその総回収になるわけだが、唯一この作品で頭をかしげた序盤のヒロイン葬式翌日の夏祭りを楽しく過ごす様子の伏線というよりそうせざるを得なかった理由を表現する。あわせて驚きなのが数日とか数年の単位で世界線をずらしたのではなく数百年単位でずらしたことに驚いた。その衝撃のせいもありこの作品はタイムリープが終わった後こそが最高潮を迎えるのだ。
必死こいてタイムリープをくぐり抜けたからこそ見れる物語がそこにはある。
この作品のいいところはところどころにこだわりがあり、よくあるタイムリープしているだけ、死んでるだけとか能力があるだけという薄っぺらいものではないところが一コマ一コマ見逃せないポイントだ。(ただ「日天照」というワードが強調されるがそれだけはわからなかった、あるべき姿になりひるこを祭らなかったということだろうか。)
この作品はイザナミとイザナギそしてヒルコの神話を知らないともしかしたら面白くないのかもしれない、ナルトのようなファッション的にでも実は深く使うのではなく、わかる人にだけわかる形にしていることも作品の評価が低い理由だろう。
この作品にはイザナミイザナギ神話にタイムリープをまぜあわせ、さらにはヒルコの供養までしている、そして黄泉の国らしい空間も思い切って表現しており、ヒヤヒヤされられた。ナルトのかぐやの世界観よりだいぶ受け入れられる解釈だ。書いてて思ったけど、ストーリー的にはネタ技とされている「イザナギ」と「イザナミ」だなあwあれw
ナルト本家の解釈とは違うかもだが、「イザナミ」をヒルコやカリキリという異物を本来あるべき道に戻すために戻すと解釈するとかなり辻褄が合ってしまう。(エウレカ2でも見たぞw)
となると、イザナギ、イザナミはタイムリープとあるべき状態に糺すという現象に対する名称と解釈し、その原作者なりの神話の解釈に俺は興奮しているのかもしれない。
確かに、主人公に目からは世界線ごとにいくつもの逸話を生んだ。そういえば、ある世界線でヒロイン焼けてたけどあれ、カグツチなのかwヒルコも流れ着いたしw
多分もっと深ぼれば深ぼるだけあの神話をモチーフしたのがわかるんだろうなw ヒロインと主人公は分け合って同じ家で兄弟同然だしw菱形は三菱かなあ?と神話と現実色々と妄想に老けることができるのも楽しみの一つ。いきなり現実に戻されるB29も考えさせられる。
ジブリもだけど、神話などをモチーフにすると妙に説得力が出る、この作品の世界線の選択の定義として観測者という概念を定めたのが何よりいい。
俺も俺の世界の観測者であることを思い出させられるし、生きていると変わらぬ日々を過ごしていることもあるだろう。受け入れられない結果を何度もタイムリープする様はそれを嫌というほど思い出させられる。利他的に生きている人にとってはもっと利己的な選択していいんだと思わされる。
さて、最後に何よりもアニメに大切な要素の話。
とりあえず、アニメは、まだ世間を知らない元気な少女が物語を元気で引っ張る。それが見れるのが一番最高なんだ。
攻殻もエウレカもそう、この作品はイザナミと言ってもいいほど神秘的で元気な女の子がヒロインだ、主人公ももちろんかっこいいんだけどヒロインの召喚者というイメージ、メインはヒロイン。この物語の特性上、ヒロインがいるのといないのでは安心感がかなり変わる。たまに出てくる位ヒロインの妹もよし、タイプが違うが元気。そしていつしか二人に増える。好きなキャラが二人に増えて、物語上言いたいことを言える方と言えない方が出てくる。この設定はぜひ他の作品でも採用してほしいほど素晴らしい。
{/netabare}
まあ作品自体が神世の話を作ろうと意気込むが故の硬さは確かに合ったんだと思うし、それがブッ刺さった。