鹿羽 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
現代版「赦し」
久しぶりに感想を書きます。現在放映中の三期を見ていて、久しぶりに見返しました。シリアス性とユーモア性の調和の加減が絶妙な傑作です。
二元論や無寛容は信条に反するところではありますが、この作品がつまらないという方は、知能あるいはセンス、その両方が劣っているので自覚した方がいいように思えます。
ONE先生のモブサイコの根底は「弱さ」を描き、霊幻とモブが「赦し」を与え、与えられる物語だと思ってます。
二期で特によかったのは、個人的にやはり4.、5話でした。
おそらくこの話だけで傑作映画一本分の価値がありました。
おそらく最強最上啓示+承認欲求天元突破メンヘラお嬢様浅桐みのりの救済でした。
いじめのシーンは、徹底的残酷度で描かれていましたね。
(以降5話の感想)
~~~~~~~~~~~~~~~
「いいんだ。もうわかったから。人は変われるってこと。最上さんと朝桐さんが教えてくれたんだ。僕もみんなに変えてもらえた。僕も誰かを変えられるかもしれないってわかったから。こうやって会えてよかったよ。」
この話は現代の閉塞感を極端な形ではあるものの非常によく描写されていました。モブというのは、神だと考えて相違ないでしょう。(厳密にいえば「器が壊れた」ときのあれ)
朝霧みのりは恐らく資本主義の頂点の象徴で「現代」で最も断罪され、赦されないものです。
今まで、モブは霊幻によって赦されてきたと私は考えています。この話では、モブの成長が見て取れます。(上記のセリフから)
この話は「貧富の差」と相対化による幸福追求の行き着く現代人の精神のディストピアに対する答えです。人間は社会的動物で脆く、弱い。実際に、モブと霊幻のようなひとは多くありません。この二人でワンパンマンといったところですかね。最後の霊幻の「微妙な金は受け取らねぇ方がマシだ。でないと、今後も楽な方向に流れていくだろう。まぁ金でも権力でも力に溺れると禄でもなぇことになっていくんだ」
これは綺麗事ですが、非常に本質を突いてますよね。相対性ではなく信条、美学を持って生きていきたいものです。