nyaro さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
思っていたよりも骨太で面白いストーリー。烏妃が魅力的です。
思っていたよりもスケールの大きな話で骨太な印象です。今のところラブ要素もありますが、むしろヒロイン寿雪の正体・烏妃の来歴についてが本筋となっていました。
単話の出来栄えも1話完結として良くできています。その中にところどころある伏線も興味を引きました。
なんちゃって中華もので時代も判然としません。史実に基づいていないでしょうが、中華風異世界の舞台設定だと思えば特に問題がない感じです。過去から続く王朝の歴史感はちゃんと出せていました。
一番困ったのが、中華風の名前が頭に入らないこと。それと男のキャラの輪郭がみんな一緒で同じ顔に見えるのが辛かった。傷がある彼だけなんとか区別がつきました。女性は結構違いがありましたけど。
「しょうげつ」というのが、重要キャラなのに13話で誰だっけ?となって困りました。もちろん確認はしましたけど。
キャラはもちろん寿雪つまり烏妃萌えですが、それ以外は逆に言えば魅力に乏しい印象です。
烏とフクロウの対立、烏妃としての香薔以来の落とし前、夏と冬としての運命、そして恋愛とこの辺が今後の展開になるんでしょうけど、それを見せてもらわないと価値が半減するかなあ。話としてちゃんとしているだけに、ここで切るのはいかがなものかと。
思っていたより全然面白いし、雰囲気はステレオタイプの少女マンガ的ではありますが、見た目と冒頭の導入の印象に反してちゃんとしたストーリー展開なので、是非2期を早々にお願いしたいところ。
あと、作画なあ。烏妃と雲花娘の止め画はかなり美しいですが、動くとなあ。平服のデザインとかもあまりゴージャスじゃないし。その辺を2期作るとしたら頑張ってほしいかなあ。
総評すると、話は想像よりも全然面白かったし、恋愛頼りでもないし、大きな時間の流れも感じられるスケールが大きな話でした。作画頑張ってください。キャラは男性キャラの性格付けと書き分けをお願いします。
評価は尻切れトンボでなければ、ストーリー・キャラは4.5くらいでも良かったかも。
以下 4話までのレビューです。
{netabare} いろいろそれっぽい言葉は使ってますけど、中華版異世界という感じであまりリアリティは感じません。舞台設定なので構いませんが、中華物だと思ってみると混乱すると思います。
中国の皇帝的設定ですが、実際は「王子様」ものですね。後宮なのに夜伽免除という性愛の排除と合わせて、ご都合設定なのが非常に少女マンガ的です。
キャラデザからも制作者側は少女マンガとして扱っていると思います。ヒロインの衣装は華やかですが、モブの衣装、普段着が適当ですし、背景がペラペラなのも同様です。
少女マンガ的というのは、人物に焦点があたって、結果的に恋愛ものになるであろうという意味ですので、それを楽しむならいいと思います。思いますが、下手をすると浅薄な作品になる可能性があります。
話としては、4話までから判断して類似例だと「薬屋のひとりごと」でしょうか。身分と能力、雰囲気的には「図書館の魔女」(映像化はされていない)を思い出しますがあそこまで重厚な造り込みではないです。後宮ものとしては「後宮小説」をアニメ化した「雲のように風のように」がありますがあれは疑似歴史ものとしてはかなり物語性がありました。
本作は今のところ単話完結っぽいですね。ですが、過去の因縁が設定にあるので、上に挙げた作品の要素ミックスされて、独自性のあるものとして換骨奪胎して展開・完結できるかが面白さの分かれめでしょう。小説は完結しているみたいなので上手く構成されていると良いのですが。{/netabare}