てとてと さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
地味だけど星空のように輝いている、天文部の学園青春ドラマ
天文部の高校生たちの春夏秋冬一年間の日々を描いた、部活青春ちょいラブコメ。全12話。
月刊アフタヌーンの漫画で略称は「宙まに」または「まにまに」
【良い点】
明るく爽やかな学園部活ドラマの雰囲気が心地良い。
天文もラブコメも、過度に拘らず、あくまで学園生活の中での輝きの一コマ的な描かれ方。
悪く見ると見所が中途半端にも思えるが、この曖昧さを明るく楽しい日々に描いていく雰囲気作りが非常に良い。
コメディーも楽しい。
ラブコメも天体観測も要所で活かした丁寧なドラマ。大きく感動したり盛り上がるわけではないが、良い青春してるなぁと思える。
よくある部活系のお約束に則りつつも、明るくコミカルでテンポの良い進行で、極自然に天文部の青春の日々が過ぎていく感じ。
ここら辺うまく表現出来ないが、他の部活系には無い持ち味がある。
キャラが特別濃いわけでもなく、深い掘り下げがあるわけでもないが、極自然に部活仲間が集まって、騒いで、同じ星空を見る。
何気ない日々を過ごし、春夏秋冬そしてまた春が来て、天文部の日々が続いていく。
ヒロインの美星(みほし)ちゃんが可愛い。伊藤かな恵ボイスも大変良し。
天然無邪気に星空と朔ちゃん(主人公)への好意を隠さない。
裏表の無い優しさと時折見せる一途さが愛おしい良ヒロイン。
これで主人公より1つ年上なのもポイント高い。
また独特なキャラにより、ラブコメになりそうでならない事で、本作特有の雰囲気の良さにも貢献。
かと思えば10話亡き父を思い出してしまうハートフルなエピソードで切ない一面も見せる、かわいい。
朔に一途に恋する同級生の姫ちゃんも可愛い。
終始負けヒロインというか、美星先輩の性格上中々勝負の土俵にすら上がれないもどかしさをコミカルに、終盤本気で。
どちらも良い子で修羅場もコミカルなので不快要素皆無。
ラブコメとしては地味な部長と他校の部長同士の方が良かったり。
ここら辺も地味だけど自然体で青春と恋してる感じ。
キャラデザは素朴だが美星ちゃんは申し分なく可愛い。
星空の描写が綺麗な上に詳細な取材に基づいた丁寧さあり、これも要所のシーンを盛り上げた。
楽曲はスフィアのOPも良いが、EDも綺麗。
スタッフロールにスタッフの星座表示するなど、細かい演出もセンス良し。
【悪い点】
良い点と裏腹、ラブコメとしても天文部活動としても諸々中途半端で強い見所は少ない。
天文部の活動イベントも地味。
ドラマ面でもあざとく盛り上げるシーンが殆どない。
この点はむしろ本作の持ち味でもあるけれど、地味な作品な印象。
モブの男にちょっかい出される不快シーンが二回ほどある。
コミカルに流されているので左程気にはならないが。
【総合評価】7~8点
地味な印象も拭えないが、夜空の星みたいに輝いている学園青春物の良作。
初見の時(2009年)よりも、時を経た今見返してじんわりと良さが分かる感じ。
評価は良いかやや迷うが「とても良い」
【余談】
1話朔「ごめん覚えていない」
エヴァネタだけでなく、ブレンパワード難民救済アニメでもあった。