いるかん さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ところどころに目をつぶれば、面白い
原作未読ながら、ちょっと調べただけでもそこそこ人気があるであろうことは容易に伺える。
ましてや今年はワールドカップイヤーなので、サッカーがテーマとしても、注目を集めやすい。
そういう意味では、アニメ放映開始前にお膳立ては充分に整っていたと思われる。
また、特殊な能力を持っている主人公であっても、その能力のみならず、サッカーの技術も(ユースのレベルからは)未熟、というところが、サッカー初心者や初級者でも何が大事なのかということを読みながら一緒に成長していけるのがいい。
また、キャラについては、大人も少年・少女たちも個性が目立っててよい。
ユースという環境を舞台にしたことで、チームメイトとの仲や、大人との関係で、緊張感のあるドラマが生まれやすいのも、面白い。
なので大別すると、比較的好きな方の部類に入る。
ただ、おそらく原作の悪いところもアニメで完全再現してしまってるとも感じた。
まず、スラムダンクを真似たかな?とモヤっとするシーンが、特に前半13話までに多すぎ。
・主人公が落ち込みそうな時、話の流れから脈絡もなく「俺は天才だから」と気持ちはあっさり奮起できてしまうシーンが多く、契機こそ違うものの、桜木花道を思い出すきっかけになった。
・朝利と主人公が試合中に和解するシーンのハイタッチの止め絵で、「花道と流川の山王戦での名物シーンじゃん。。。」と決定的となり、以降、頭の片隅にこびりついてしまった。
・その視点で見てみると、仙道や、清田、山王の深津を想起させるチームメイト。なんなら「主人公の性格の一部と、富樫の髪形とヤンキー趣味、竹島の赤髪と丸坊主」の三位一体で桜木花道とか、あやしく感じる所はある。
これらは「パクリすれすれの、ぎりぎりオマージュ」と、個人的にはとらえたが、ネットで評価を見てみると、同じような懸念を感じてる人は複数いるようなので、やはり欠点かなと。
もう一つあげるとすれば、主人公の視野の広さを表現するのに、カラスとコインの比喩を多用しすぎ。
カラスは、サッカーなので日本代表ユニフォームにも採用されたヤタガラスがモチーフなのだろうが、カラスの架空のセリフで「作者が言いたいことを代弁させたな」と思われるシーンがあったのはちょっとやりすぎ。
視野の広さが有効に作用しているシーンを盛り上げたいのはわかるが、比喩としてのカラスやコインは、効果的に使ってこそ意味があって、多様されると「またかよ感」が先に立ってくる。だったら、アニメならではの演出としてBGMとかSEで協調した方が良かったかも。
正直これらがうまく転化できてれば、もう少し物語の評価は良かったと思う。
音楽(特にOp./Ed.)も、雰囲気にはあっているものの、昨今のアニメ曲事情からすると、少し凡庸に感じてしまった。
とはいえ、Aチーム昇格後も気になるので続きも見たい反面、同じNHKで放送した「GIANT KILLING」同様に続編なしにならなきゃいいと心配もしている。