てとてと さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ハートフルなヤクザ日常系
裏社会の狂犬ヤクザな青年が、組長の幼い娘の世話係仰せつかり、交流しながら変わっていく感じのハートフルドラマ。
【良い点】
28歳強面青年が7歳幼女にお嬢呼びでかしづく構図が尊し。変則的な執事系に見える。
主人公にとっては恩人で第二の父である人の愛娘、慈しむ語り口が良い。
組長娘の八重花ちゃんが大変可愛い。和多田美咲ボイスがあざとい。
題材の時点であざとくハートフルドラマを期待させ、概ね期待通りにハートフル。
荒んだ少年時代に組長に拾われ若頭として裏社会で暴威振るっていた主人公霧島が、母が交通事故で昏睡状態で寂しい組長娘(7歳)と交流、周囲の人物も軒並み優しくコミカルな日々から、家族愛や大切な気持ちに気付き成長していくという基本線が良い。
時折シリアスなヤクザ抗争も交えるが、良くも悪くもこの辺は優しい世界を保っていて安心して見られる。
ヤクザ絡みのシリアスも、霧島が優しく変わっていくリトマス試験紙的な意味合いあり。
ヒロインの組長娘八重花ちゃんはやや目立たないが、無口だが純真な優しさで、むしろ年上の霧島が救われる流れも尊し。
終盤、お嬢の方が自分よりずっとしっかりしてます的なセリフが印象的だった。
八重花の父であり霧島にとっても父である組長の、娘と妻への想いなど、周囲のドラマも丁寧でハートフル。
惚れた彼女のために組を辞めた兄貴分も併せて、大切な家族の為になテーマも良かった。
組のキャラ模様や雰囲気がアットホームで、ハートフルコメディーが安定して楽しい。
ヤクザというより、上下関係がしっかりしている体育会系なノリ。
女性陣も魅力的で、姉御肌の強い女性が輝く。
シリアスでの敵ヤクザを霧島がボコるシーンも概ねコミカル。
4話はいささか悪ふざけが過ぎるが、ギャグ回と割り切れば中々。
声優陣は細谷佳正氏が良い演技。
お嬢への優しい語り口や、終盤の独白も良い。
【悪い点】
霧島視点の成長ドラマ重視で、期待したより組長娘ちゃんの出番が少ない。
ドラマが重層的な良さの半面、本題の組長娘と世話係の交流シーンが削られた感も。
おふざけ回の4話とか、許容範囲だけど、八重花ちゃん蚊帳の外だったのがイマイチ。
基本線は良いんだけど、予定調和で地味だった。
良い点と裏腹だけど、ヤクザシリアスがワンパターンで底が浅い。
敵ヤクザが最強主人公のかませチンピラの域を出ず。
終盤、お嬢に危機が及ぶ展開はヤクザドラマらしいとは言えるが、あまり望ましい展開ではなかった。
お嬢の母とか、霧島狙う敵ヤクザの因縁とか、いくつか未解決。
【総合評価】6~5点
適度にコミカルでハートフルな良作。
評価は「良い」
【余談】
中の人ネタで、オルガ・イツカとジャスレイ・ドノミコルスが義理の父子みたいな親密な関係なのが感無量。
同じヤクザドラマで仇敵から大切な部下と上司…
桜樹組は鉄華団の理想に思えた。