てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
異能学園おねショタ(1つ違いだけど)ラブコメ。冗長さやシリアスいまいち等粗も多いがラブコメとしては良し
全24話のラノベ原作WOWOW放送アニメ。
ショタっぽい後輩男子と最強異能持ちツンデレ女子が相思相愛、周囲から茶化されたり、異能絡みのシリアスに翻弄されて愛を試されたり。
構図としては2022春の「可愛いだけじゃない式守さん」に先駆けている?
【良い点】
最強クール実はツンデレなヒロインと、ショタ可愛い系男子のベタベタなラブコメ。
作風が一昔前?のラノベコメディーなノリで、ドタバタと騒がしく周囲が茶化したり、反応がベタだったり、古き良きラブコメ感。
好感度100からスタートして更に好きになっていくが、そこから少しずつ互いを理解し合ったり、すれ違ったりして成長。
恋模様が意外と単調ではなく、恋のライバルや異能絡みの障害を経て関係性が深化していく過程が中々丁寧だった。
おねショタで真っすぐな好意でデレさせる「最近雇ったメイドが怪しい」路線だけど、本作の方がキャラの魅力も関係性の変化も断然良かった。
能力的には最弱と最強だけど、恋人としては次第に対等に恋していく。この点は式守さんよりも良かった。
ライトなコミカルさと、ビアトリスなる異能?絡みのシリアスの配分も程よい。
ふたりの障害となる敵が何度か立ち塞がるが善意のキャラばかり、最終的にはふたりの恋路を応援する感じ。
最強ヒロインの宿命上、無力な護くんは相応しくないぞ的な展開が多いが、ふたり供ちゃんと成長しており、ベストカップルに説得力がある。
護くんは可愛いく守られるだけの男の子にあらず、絢子さんの為に自分に何が出来るか葛藤して健気にがんばったり、守る決意や、ここ一番で真っすぐに気持ちを伝えるなど、中々強い主人公だった。
ただナヨナヨしているわけじゃない、主人公がちゃんとしているのは良い。
負けヒロインなエメレンツィアちゃんが可愛い。負けヒロインの方が可愛い法則。
白髪クーデレ真田アサミボイスなロリっ娘、当初ライバルキャラだったがすぐにコメディーに馴染む。
デート回含めて次第に護に惹かれていくが、恋でも実力でも勝ち目が無いと悟って身を引く奥ゆかしい恋心が切ない。
20話の涙ながらの失恋シーンは負けヒロインとして大変可愛かった。
護、絢子、エメレンツィア以外は賑やかしかシリアス要員だけど、会長や絢子の運転手、エメレンツィアの舎弟たちなどキャラは立っている。
【悪い点】
良い点と裏腹、コメディーのノリが古い。お邪魔キャラの我孫子とかウザいだけで特に面白くない。
ワンパターンという程ではないが、バリエーションが乏しく飽きやすい。
後述のサブキャラの弱さもあってか、学園コメディーとしてみると24話ある割には微妙。
サブキャラも一部個性はあるが殆ど交流掘り下げが無く、賑やかしの域を出ず。
2クールもあった割にはキャラ層が薄く感じる。
ヨハンやガートルード関連のドラマもあるにはあるが、イマイチ。
ビアトリス関連の用語や世界観が終始説明不足。
シリアスのストーリー面での面白さがイマイチ。
最後まで見れば良い作品だなと思えるけれど、完走までに若干飽きる感じ。
良くも悪くも2クールを贅沢に使った大らかなアニメで、完成度はイマイチ。
【総合評価】5~6点
おねショタラブコメとして捨て難い良さがあった一方、粗も多い感じ。
ただ、その粗も含めて2006年頃のアニメらしい懐かしさも。
良作かは微妙だけど好きなアニメ。
評価は「良い」