蒼い✨️ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
アイコ可愛いよアイコ。
【概要】
アニメーション制作:BONES
2018年3月9日にNetflixで配信開始された、全12話のWebアニメ。
監督は、村田和也。
【あらすじ】
バイオテクノロジーが発達した近未来の日本。
富山県の黒部渓谷には、医療目的の研究都市が存在していたが、
2035年に、桐生生命工学研究所で研究されていた人工生命体が暴走。
医学目的の人工生体の細胞が異常増殖し、
多数の人間が細胞に飲み込まれて死亡した大事故は“バースト”と呼ばれている。
黒部渓谷は政府によって封鎖されて立入禁止になっていた。
それから2年後の2037年。15歳の女子中学生である橘アイコは、
バーストで母親と弟を亡くしていて、
それとは別に交通事故で父を亡くして自身はそのときの重傷で、
黒部平野にある桐生病院でリハビリしながら、
病院の敷地内にある学校に通う車椅子生活をしていた。
一学期の終業式の前日に転校してきた神崎雄哉とクラスメイトになったアイコ。
それをきっかけにアイコは何故か、立ち上がって歩けるようになる。
せっかく歩けるようになったからと女性看護師に、必要な私物を取りに、
2年前まで家族で住んでいた今は誰もいない家に一度戻ることを勧められたアイコ。
家の中で家族との想い出に耽っていたアイコの前に雄哉が現れて、
政府機関である人工生体汚染災害対策庁(CAAC)対策局から逃れるために、
彼に拉致される。
アイコが連れて行かれた先には、桐生生命工学研究所の研究員で、
人工生体開発者である黒瀬進がいて、アイコの身体は作り物であり、
治療目的で脳を移植した人工生体の義体であること。
本当の生身の身体には記憶を複製した人工生命体の脳が入っていて、
その交換が細胞の暴走の原因になってバーストを引き起こしたという。
アイコの脳を本当の生身の身体に戻すことでバーストは終わる。
そして、アイコの人工生体を貰い受けたい。
アイコの母と弟はバーストの爆心地であるプライマリーポイントにて、
人工生体細胞(マター)に繭のように取り込まれながらも生存していて、
バースト(細胞の異常増殖)さえ収束すれば、その家族を助けられるという。
雄哉や黒瀬らへの協力を決心したアイコは雄哉と、そして篠山大輔をリーダーとした、
6人のダイバー(暴走した人工細胞の襲撃で生命の危険のある封鎖地域に武装して、
研究資料を持ち帰る職業)チームと共に、プライマリーポイントを目指して、
封鎖されたエリアに侵入するのだった。
【感想】
「翠星のガルガンティア」と同じく、漫画家の鳴子ハナハル氏がキャラクター原案で、
村田和也監督らスタッフがある程度引き継がれていますので視聴。
たまに頭身がおかしなシーンがあるものの、アイコと雄哉のキャラ作画が端正でグッド。
しかしながら、フルフェイスのパワードスーツが色分けされているものの、
誰が誰だかわかりづらかったり、
戦う相手が終始、赤黒いブヨブヨした触手みたいなグロい物体だったりで、
アクションものとしては見栄えがしないです。
専門用語が多くて情報整理しないと話を飲み込みにくいですが、
展開はシンプルで、重機のような装甲車に乗って、
銃で大きな触手のような肉塊を倒しながら奥へ奥へと進んで目的地を目指す。
実はそれが、それほど面白くはなかったのですが、
伏線回収とミスリードの解消からの終盤の展開は好みでした。
途中にて、アイコに彼女の存在意義が問われる残酷な事実が明かされるのですが、
それを知ってもなお前に進んで、目的を達成して人を救おうとする彼女の姿が健気。
すべてを知っていて葛藤しながら自分で何をすべきか答えを出した神崎雄哉。
いったんは不信感を口にしながら最終的には一致協力したダイバーたち。
それを外部からサポートした人たち。
彼らの心を動かしたのはすべて、アイコの覚悟と行動が発端なのですよね。
SF的な哲学や倫理観に話が持っていかれるのですが、
生命とは心とはなにか?何を以て本物の生命とするのか?
アイコたちが悩んで行動して導かれた結末。
いちおうはテーマ性を持った作品としては楽しめましたね。
ただ、二人のアイコがいて、それぞれがどういう状態になっているのか、
文字で説明を読まないと、初見では分かりづらくて混乱してしまったのには苦笑してしまいました。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。