てとてと さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
パソコンで召喚される悪魔を巡る、伝奇退魔バトル系。57分ちょいのOVA
※作品データベース様より転載
【良い点】
メガテンシリーズの醍醐味な、パソコン用いた悪魔召喚プログラムを軸にした、伝奇バトルの雰囲気が好ましい。
90年代半ばの、パソコンがまだ一部のマニアにしか馴染みが無い時代背景も感じる。
平将門など日本系の陰陽術?やら、ケルベロスやら西洋悪魔やら、ニンジャに西洋魔術少女にやたら強い坊さんなど、伝奇ゴッタ煮感。
良い意味でB級伝奇バトル。囚われたニンジャちゃんが蟲寄生させられちゃうとか。
短い尺でキャラ多い割には、各々の個性や見せ場を用意出来ていた。各々の関係や立ち位置が分かりやすい。
主人公の小次郎の人となりや、ライバルの小林の屈折した性格など、地に足が付いたキャラ描写。
女の子三人も中々可愛い。弟君もかわいい。
主人公と、悪魔と組んだ旧友が対決しつつも友情取り戻すドラマは良かった。
作画はキャラデザは十分良く、悪魔の禍々しさや伝奇バトルも良好。背徳的なエロスもある。
弟君除いて声優陣も豪華。緑川光氏と檜山修之氏の共演はおいしい。檜山氏の中二病陰キャは絶品。
【悪い点】
尺不足でキャラの掘り下げや交流は不十分。キョウコが小次郎に惹かれる過程が乏しいため、終盤の愛も盛り上がらず。
ニンジャ少女があっさり負けて囚われたり、小次郎覚醒が唐突だったり、展開が雑なのも詰め込み故か。
勢力関係が複雑というか説明不足で分かりづらい。西洋魔術師陣営は何やりたいのか不明瞭。
45分過ぎ辺りからのデーモン閣下ぽい主人公覚醒が微妙。
葛藤や努力などの過程が乏しいのと、別人格で俺ツエーされても盛り上がらず。
悪魔のガギソンが小物、ラスボスのオセも人格無いタイプと、敵の存在感が今ひとつなのも後半の盛り上がりに欠く。
パソコン要素があまりこなれておらず、普通の伝奇バトルの域を出ない。
弟の声優が素人なのは許容範囲。
【総合評価】4~5点
B級伝奇バトルな90年代OVAとして捨て難い雰囲気あり好みではある。
尺の割に終盤以外の内容は悪くはなかったけれど、どうしても限界はある。
評価は「普通」