風紀 さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
有り触れた日常ストーリー
アクションも事件もありません。
本当に淡々とした日常風景を表した作品です。
激しい起承転結もありません。
ただのんびり学生生活が流れるだけです。
しかし、その日常風景が変に美化されていなくて逆にいい。
あまりにも有り触れていて本当に身近なような気がしました。
明日何か起きないかな、という子供の好奇心が上手く表現されています。
監督は原恵一さん。
他に「クレヨンしんちゃん」や「河童のくぅと(略)」など家族や友達をテーマにした作品が多いです。
主人公にはとても同感できました。
家でも外でも微妙な立場。
本当の友達はなんなのか。
中学生という勉強でも人間関係でも面倒な時期。
でも、誰にでもありそうなこと。
友達への愛想やお世辞に空しさを覚えることは誰でもあります。
いったいこいつは友達なのかという疑問を持ったりもします。
そういった子供と大人の狭間の心情が分かり過ぎて辛かったです(笑)。
反抗期や思春期ってみんなこんな感じなんだと思います。
そして、本当にさりげない家族の愛情。
さりげなすぎて気づかなかったり、気付いても小っ恥ずかしかったり。
架空の家族を観ているのではなく、まるで我が家を思い浮かべました。
ファンタジックだけどそうでもない。
有り得ない設定が逆に現実味を持たせるのも凄いです。
この設定がなかったら、感動も共感もできません。
有り得ませんけど。
総合的に見ても完成度の高い作品です。
ここまで見せ場のないストーリーを見せる原監督も力量も伺えます。
そういった意味で素直に感動したい人におすすめ。
学生の方も見てみるといいかも。