エイ8 さんの感想・評価
2.8
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ギネスでも狙ってんの?
『このヒーラー、めんどくさい』は、丹念に発酵による日本の漫画。2018年10月05日よりニコニコ静画で『これ、何の話ですか?』というタイトルで発表されていた同人漫画が、2019年7月31日よりタイトルを改めリメイクとして正式連載化。ニコニコ静画に加え、『ComicWalker』や『月刊コミックフラッパー』(共にKADOKAWA)でも連載されている。『月刊コミックフラッパー』では2020年11月号より連載開始され、『ComicWalker』からの移籍扱いとされている。
2022年4月から6月までAT-Xほかにて放送された。アニメーション制作の寿門堂は本作品が初の元請作品となる。正式連載版だけではなく同人版も原作として使用されている。(wikipedia)
音楽ではアルバムタイトルの長さにギネス記録がありまして、現在(2022年9月調べ)ではCHUMBAWAMBAというイギリスのロックバンドが2008年にリリースしたアルバムが最長とのことです。(156単語、710文字あるそうなので隠します。知りたい方だけどうぞw)
{netabare}
"The Boy Bands Have Won, and All the Copyists and the Tribute Bands and the TV Talent Show Producers Have Won, If We Allow Our Culture to Be Shaped by Mimicry, Whether from Lack of Ideas or from Exaggerated Respect. You Should Never Try to Freeze Culture. What You Can Do Is Recycle That Culture. Take Your Older Brother's Hand-Me-Down Jacket and Re-Style It, Re-Fashion It to the Point Where It Becomes Your Own. But Don't Just Regurgitate Creative History, or Hold Art and Music and Literature as Fixed, Untouchable and Kept Under Glass. The People Who Try to 'Guard' Any Particular Form of Music Are, Like the Copyists and Manufactured Bands, Doing It the Worst Disservice, Because the Only Thing That You Can Do to Music That Will Damage It Is Not Change It, Not Make It Your Own. Because Then It Dies, Then It's Over, Then It's Done, and the Boy Bands Have Won."
{/netabare}
本作『このヒーラー、めんどくさい』を観て初めに頭をよぎったことがそんなことでした。とにかく正式サブタイトルが長い長い。文字数カウントして見たところ
1話361
2話260
3話311
4話309
5話244
6話291
7話326
8話259
9話290
10話279
11話261
12話327
である模様。(wikipediaに掲載分をカウント。尚、最初と最後の「」並びにスペースは省く。公式カウントと違っててもご容赦を。)
最長は1話の361文字で最短は5話の244文字でしょうか。いずれにしろ簡易タイトルとして全て「そんな第(1~12)話」として片付けられてます。
最初のうちはスローにしたり一時停止したりとかして頑張って読んでたんですがすぐに止めました。まあ視聴者を飽きさせないようにするギミックの一つのつもりなんだとは思いますが、逆に言うとこういう小手先の技でも使わないと人気が取れないと踏んだんでしょうか?
本作にはギミックがもう一つあって、それはOPで既に全話分の登場人物を先に紹介するというもの。勿論OPというものは基本的に作中の登場人物をそれとなく配置して知らせているものですが、初めから「第何話登場」と明示してあるのは初めて見た気がします。
ただ問題なのは、それを見たとしても「お!?こんな魅力的なキャラが出るのか、こいつぁ~見逃せねーぜ!」なんて胸躍るキャラがひとっこひとりいなかったことですかね。勿論これには個人差があるでしょうが、正直どちらかというと「え……こんなんで1クール持たせるん?本気?」と不安になり1話切りしようか迷った方でした。結局最後まで観ましたが。
この作品はとにかくよくわからないクセのようなものがちょこちょこあって、その筆頭ともいえるのが主人公?アルヴィンの顔を徹底して映さないようにしてるということでしょう。普段は兜を被っているため見えないというのはわかるのですが、脱いだ時にも角度等を変えて映さないようにしているとか、どういう意図があってやったんでしょうね?無駄に30代設定なのも何だかよくわかりませんし……とはいえアニメ化したんですから勝ちは勝ちなんでしょうが。
作風としてはシュールと言って良いんですかね?ただ突っ込みは普通。あくまでヒロイン?のカーラと現れるモンスターがおかしいだけです。
カーラのようなキャラは何と形容したら良いんですかね?広い意味ではツンデレの一種なんでしょうがツンツンしてるというよりはアルヴィンを毒々しくイジリ倒しています。そして極たま~にデレるというかテレるわけなんですが、まあそういう意味でギャップ萌えがゼロというわけではありません。
ただ何というか、ユーモアがいちいち古いんですよね。初出は2018年10月とのことですが、鉄山靠だとかデンプシーロールを出してこられても若い視聴者ついてこれないんじゃないですか?(ちなみに鉄山靠はヴァーチャファイターという格闘ゲームでアキラというキャラが使う必殺技で、デンプシーロールは漫画はじめの一歩の主人公である幕之内一歩が持つ技です。ほぼ間違いなく本作でもこれらからパロってます。)
多分作者って自分とある程度同世代なんだろーなーと思って観てたんですがまさかまさかの「よっこいしょういち」が出ました。これ相当古い昭和のギャグですよ?こんなん持ち出すってことは作者実は相当ご年配かとも思いましたが調べてみると『らき☆すた』でやってたみたいですね。そうやって考えるとこっちから取ったと見る方が正解かもしれませんね。(じゃあお前は何で知ってんの?と言われたら「一般教養として」としか答えられないわけで……そうするとやっぱり作者も一般教養として使ったのかも??まあ真相は闇の中、というかどうでもいいかw)
10話にして書籍化には含めなかったキャラが登場したらしいですが、逆に言うとそんなとこから引っ張ってこない事には尺稼げないような原作なんでしょうか?そもそも明らかにマリアの妹エリーのプロトタイプキャラですし。
既刊5巻とのことなので確かにギリギリっぽいですかね。その後の残り二話も明らかにアニオリテイストの全員集合大団円回でしたし、アニメ化自体ちょっと早かった気がしなくもないです。実際間延びしたような回が多かったように思えます。
総評としてはユーモアセンス、突っ込みワード共にまずまずと言ったところ。回を重ねるごとにやや精度もテンポも良くなっていってると思います。逆に言うと序盤を乗り切るのは大変かもしれません。あんなよくわからん熊のモンスターとの掛け合いを観て楽しめるかどうか……その後も出てくるのは基本的にパプワくん(古)に出てきそうな癖のあるモンスターが多いので、一話が無理ならそこで切った方が正解かもしれませんね。
後はカーラのウザキャラを受け入れられるかどうかにかかってくると思います。確かに多少はテレるんですが基本はずっと毒舌かましてますからツンデレならぬツンテレ目的で観るにしてはあまりにも見返りが少ないです。
それと個人的にはアルヴィンのキャラ設定が残念でしたね。これがマシだったらもうちょっと評価できたかなと思います。突っ込みセンス自体はそれほど悪く無いんですが、やはり顔が見えないのは致命的です。兜自体が顔という考え方もあるでしょうが、だとしたら余計に魅力のない描写でしたからw