Tenjin さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
青春の追体験
多くの作品で主人公は特別な存在としてあるわけですが、このアニメはその目印としてセーラー服が着せられているという。改めて見るとすごいタイトル。
1) 奨学生になれるほどの学力、身体能力抜群でスポーツ万能、性格もいいと欠点のないスーパーな女の子が主人公のお話。それ面白いの?という疑問が湧くかもしれないが、面白いのです。
2) 主人公の明日ちゃんにとっては学校で体験する全てのことが新鮮。その驚きを全身で表す主人公を頭から手足の先まで、時にはフェチ的とも言われる細かい描写で追っていくことで見る者に追体験させる。誰もが明日ちゃんみたいになれるわけでもないですが、理想の学生生活の上澄みみたいなものを感じさせてくれる、極上の映像体験だと思いますね。
3) そうした特徴は原作の漫画に元からあったものですが、再現度がとても高いのでアニメを見れば漫画の良さもわかると言っていいです。
4) ほぼアニメオリジナルの展開を見せる第7話では、ギター少女蛇森さんが初めて人に演奏を披露するまでを描いて、原作にも劣らない青春度の高さだったのには度肝を抜かれました。連載中の漫画の方が現在、半分くらい主役蛇森さんになっているのもその影響だったりして。
5) 主人公を演じた村上さんはこれが初主演だったそうですが、初々しさが役に合っていてとてもよかったです。
6) 主人公中心に話が動いて出番が限られている分、他のキャラを演じた声優さんたちも当番回ではきっちり入魂の演技を披露していてそれも良かったですね。
7) 唯一の不満としては、これもほぼオリジナルの第9話で木崎さんや古城さんをややテンプレなキャラ像にしてしまったことくらい。お嬢様や文学少女だけど実はアクティブな面もある、というのが二人の面白いところだと思うので、そこは少し残念でした。
8) 若干癖のあるキャラデザとか、いい人ばかりの世界観とかでちょっと人は選びますが、受け入れられればすごく爽やかで前向きな気分になれるアニメだと思います。
9) 大別すればこのアニメも日常系の一つかもしれませんが、単なる日常系として片付けられない特徴があります。
10) きらら系に代表される日常系の根底にあるのはまったり気楽に生きること、ではないかと思っていて、それはたいてい主人公が女子中高生という何をやっても許される存在(あくまでもフィクションの話です)だからこそなのですが、明日ちゃんの場合は割と全力で今を生きようとしているので、そこが大きく違う点ですね。
11) 全力で今を生きるその姿を言葉で表すなら多分「青春」ということになるのでしょう。