てとてと さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
弱小野球部がぽんこつメイドロボと一緒にがんばる、スポーツコメディー。44分ほどのOVA。
第二回アニマックス大賞受賞作品。
※作品データベース様より転載
【良い点】
45分弱の短い尺で笑いあり涙あり手堅く纏まっているストーリー。無駄尺が少なくテンポも良く、伏線も割と丁寧。
アズサと野球部の特訓シーンはダイジェストだが十分に伝わるものはある。
ギャグやコメディーは特別外連味こそないが、90年代末辺りの古き良き感じが出ていて好ましい。(本作は2004年)
野球部の試合でロボット使用可なムチャな世界観と思いきや、ロボットと人間の関係や心の在り方など侮れない要素も。
メイドロボのアズサが可愛い。能登かわいいよ能登。キャラデザは同時期の恋愛ゲーム系ヒロインの多くを凌駕している。
中盤ロボットに否定的な監督が、最初の野球ロボ開発者の幼馴染だった過去エピソードが語られ、これが後半以降回収される脚本も良い。
プラスティック・メモリーズめいたベタな展開も、王道足り得る説得力あり。
アズサが野球部にとって大事な仲間となっていた、終盤はベタかつ駆け足ながら十分な盛り上がりがあった。
短い尺で個別の交流掘り下げイベントがほぼ無い割には各キャラ個性的、仲良し弱小部らしい掛け合いの楽しさがあった。
名前は覚えられずとも、視聴中自然に顔とキャラは一致する感じ。キャラ描写が上手い。
女の子もレギュラー、勝気なミズホちゃんが可愛いうえに存在感ある。男子たちに交じっても違和感無い。
相手チームの最新型ロボットはメカメカしく、旧式なアズサは美少女な理由付けとして
ロボットに関する法律(外見で区別せよ)が適用前だから、というのも何気に上手い。
これが開発者のロボットにも心を…なテーマに繋がってくる。
それを野球部とアズサの交流でちゃんと見せてくれる。
【悪い点】
尺に余裕が無く、個別の交流掘り下げは弱い。
特に主人公はやや地味。
ここら辺はプラメモとかこわれかけのオルゴールみたいなお涙頂戴には物足りなかった。
クライマックスの試合で一部のキャラしか見せ場が無い。
特に主人公が貢献できていないのは残念。
最後の試合シーンは影薄い先輩のステルスネタは面白かったものの、スポーツドラマとしては雑だった。
キャラもコメディーも安定感はあるが、ぶっ飛んだ勢いや外連味は乏しい。
好意的に見れば意外と落ち着いた作品。
【総合評価】6~7点
45分弱でコメディーとハートフルのバランスが取れた佳作。結構拾い物。
もう少し尺取って丁寧に掘り下げでいたらかなり良作だったポテンシャル感じる。
評価はとても良い寄りの「良い」
【余談】
2022夏のExtreme Heartsを見て真っ先にアズサを連想。
エクハのロボ子はモブ(ノノちゃん以外)だったけれど