タック二階堂 さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
たーん、たたたたたーん!
詳細は公式でも。
DIYを題材にした日常系アニメのオリジナル作品です。
制作は「ジャスビコ」「グレイプニル」「かげきしょうじょ!!」のPINE JAM。監督も「かげきしょうじょ!!」の米田和弘氏。キャラデザには「ヤマノススメ」の松尾祐輔氏を起用しています。
不器用なゆるふわ天然娘・結愛せるふは高校1年生。隣のぷりんとは別々になっちゃったけど、高校はすぐ隣にあるので大丈夫です。
ある朝、自転車で電柱に激突。チェーンは外れ、ハンドルが曲がってしまいました。そこに通りかかった3年生のくれいが、工具で颯爽と直してくれました。放課後、くれいにお礼の挨拶に行くと、校舎裏の掘っ立て小屋にいるとのこと。そこは、DIY部の部室でした…
といったところから始まるストーリーですよ。
せるふのキャラは、まさに「けいおん!」の唯のようです。小原好美さんだなと思っていたら、稲垣好さんでした。
作画は、かなり適当に見えますが、なんというか「絵が上手い人がラフで描いた」ようなタッチ。これが、意外と作風に合っている感じで、ヘタウマ感が味になっているといった印象。
DIYという“おっさん趣味”を女子高生がやるというモチーフは、日常系ではけっこうありますね。代表的な「ゆるキャン△」「ヤマノススメ」をはじめ、「放課後ていぼう日誌」など、ハズレの少ないジャンル。これも大きな期待が持てます。
あとは、どれだけオタクがDIYを始めたくなるような描写ができるかが、今期の話題をかっさらうかどうかのカギになると思います。
=====第3話視聴後、追記です。
{netabare}
ちょっと、この作品のジャンル?雰囲気?を見誤っていたのかもしれないですね。
伝わらないとは思いますが、この作品って「ゆるキャン△」の方向ではなく、「つり球」の方向のアニメって感じ。
つまり、「きらら系」に代表される女の子のわちゃわちゃ日常アニメではなく、なんていうのかな。シュール系脱力日常アニメって感じな気がします。
で、そこにハートウォーミングなストーリーが乗ってくるような。
決して、DIYのノウハウをお勉強するようなアニメでもないですね。なんていうのかな。昔のTVドラマ「すいか」とか、そんな感じ。なので、「ちさたき、てえて~~~~~」ってな百合百合ブヒブヒっていう萌え豚さんには刺さらないと思いますよ。
ジョブ子が仲間になったよー。の流れも良かったですね。
こういう話なら、より期待が持てそうですね。
{/netabare}
=====最終話視聴後、感想です。
{netabare}
紆余曲折あって完成したツリーハウス。
そして、その完成を手土産にジョブ子はアメリカに帰ります。
せるふは、ぷりんに誘われてツリーハウスにブランコを設置するため学校へ。思い出の、あのベンチの板を使ってブランコが完成!
そして、部昇格に明るい光が射したところでENDでした。
なんでしょうね。控えめに言って完璧な1クールアニメだったんじゃないでしょうか。文句のつけようがない見事な構成でした。
パッケージだけ見ると、女の子しかいない、いわゆる「JKにおっさん趣味をやらせてみた萌え日常アニメ」っぽく見えるのですが、実は内容はシュールでハートフルなコメディといった感じ。上でも書いた通り、「ゆるキャン△」でもなければ「放課後ていぼう日誌」でもない。やっぱり「つり球」っぽいテーストかなぁ。
予算の都合なのか、原作に寄せているのかって、いま原作の絵を確認しましたが、驚きました。むしろ原作の絵は萌え系なんですね。ということは、アニメ化にあたって、あえて萌えヲタ向けではなく、ちょっとサブカルっぽい方向の作風にしたと。
いや、それは大正解だったと思います。原作絵で忠実に作ったら、もしかすると「リコリコ」大好きな層にぶっ刺さったかもしれない(“せるぷり”てえてえ~~~~!ブヒブヒ~~~~!みたいな)。でも、その選択をしなかったからこそ、これだけの傑作になったのではないかと思います。
それにしても、今期は「予算をかけた話題作が必ずしも面白いわけじゃない」の典型的なクールだったという印象です。某ジャン●系作品群がゴリゴリ予算をかけて、まあそれなりの話題を集めましたが、はたして本当に面白いのかと言われると……。
反面、この作品や「不徳のギルド」のように、パッと見は低予算感があり、広告宣伝にお金をかけられないけれども、自分たちで出来る範囲内で良作を作ろうという意気込みの感じられる作品が目についた感じ。
丁寧に面白いものを作ろうという気持ちは、必ず観ている人が感じるものです。この作品のように、全てのキャラに愛着を持てるような見せ方も12話あれば出来るんですよね。
さすが「かげきしょうじょ!!」の米田監督&PINE JAM。そして「少女終末旅行」のシリーズ構成・脚本の筆安一幸さんです。これは文句なしに良作でした。
{/netabare}