薄雪草 さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
混沌のままにあれ
1期では、母への慕わしさを動機として、アビスに潜るリコのワクワク感と、レグ、ナナチの心意気を織り交ぜながら、探窟の世界観をさまざまに描き出しました。
劇場版では、アビスに囚われた狂気、アビスに咲いた純真が、疑似親子の信愛の情とは裏腹に、度し難い悪行と許しがたい不条理として、鋭く強調されました。
そして2期。
いよいよアビスは混沌を増し、今も昔も、そこに辿り着いた者たちを完膚なきまでに打ちのめします。
人とはいられぬあまたの姿があり、人らしくありたい小さな願いがあり、人とはなれぬ憤怒の形相がありました。
それぞれに守りたい者がありました。
それぞれに進むべき道がありました。
アビスでしか生きられない選択。
アビスでしか見つけられない価値。
それほどに度し難い、かつてヒトだった者たちの生き様でした。
~ ~ ~
当然、3期があるもの。
そう期待します。
リコがどれだけ強くいられるのか。
レグの生い立ちはいかなる経緯なのか。
ナナチがミーティとの別れの先に何を見つけるのか。
待ち受けるのはアビスの地底。
挑み突けるのは人間の腹の底。
底なしにまさぐり合い、底なしにぶつかり合うアビスとアビス。
深淵の暗闇に、混沌の火花を散らします。
アビスはかくも魅惑に満ち、幻惑へといざないます。
~ ~ ~
度し難い探窟の先に進みたい思いは、尽きず湧きあがるばかりです。
ですが、そう期待してしまう私が、
{netabare}最も度し難い存在 {/netabare}・・・なのかも知れません。