えたんだーる さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ザ・思春期!
中学2年生の夜守コウは、深夜の街をひとり徘徊する。そこには歳上のおねえさんである七草ナズナとの出逢いがあった…。
※以下、自分語り主体であまりアニメのレビューではない気がしますが、悪しからず。
既に何十年も前の話ですが、中学2年生だった私を夜中に連れ出してくれたのは4歳上の兄でした。たぶん大学受験勉強の息抜きとか、わりと気まぐれな理由だったのだと思います。
それまでの私はと言えば、オールナイトニッポンなどの深夜ラジオを聴くことはあっても夜中は家にいるものだったように思います。たぶん年末年始などの特別な日も含めて、深夜に起きていることはあっても外出をしたことはありませんでした。
終電もとっくに過ぎた最寄り駅には既に駅員はおらず勝手に入ったり、保線作業が終わったと思われる深夜の線路に降りて隣駅まで歩いたり、見つからないかドキドキでしたがそんなことをしても誰に見咎められることもなく明け方に自宅に帰りました。
私の初の深夜での外出はそんな受け身な物ではありましたが、それでも当時の私は深夜の外出に変な高揚感があったと思います。
そんな深夜の初外出を済ませた後では、離れた大学に進学した兄がおらず独りになってもたまにこっそりと深夜外出はしてワクワクしていた記憶があります。
翻って本作の主人公であるコウくんですが、初めから自分だけで深夜の街に出て行ったものと思われます。二人兄弟の下と一人っ子との違いもあるとは思うのですが意外と行動的ですよね。
深夜の街には非日常感的なワクワクもありますが、未成年者がウロウロしているのを見つかれば当然補導対象でありましょう。
そんな深夜の街に出た記憶を持つ者には、本作は共感を以て迎えられるでしょう。
そんな深夜の街に潜む危険要素の象徴であろう人外との出逢いに、コウくんは何を感じるのか?
逢魔が時の青春ストーリー、素晴らしいですね!
余談その1: OP主題歌のアニメーションが、みんなで映画撮影をしている体になっているのが気に入っています。
余談その2: ED主題歌のアニメーションでミニチュアの街で暴れるナズナちゃんを見ていて、庵野秀明監修:「特撮博物館」に展示されていた怪獣映画用のミニチュアを再現した巨大ジオラマを思い出してしまいました。