タック二階堂 さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
中華風の少女漫画と侮れない。
詳細は公式でも。
集英社オレンジ文庫2018年4月から2022年4月まで刊行された、白川紺子氏によるライトノベルのアニメ化作品です。制作はBN Pictures。
後宮の奥深くに住む「烏妃」と呼ばれる特別な妃・寿雪と、母を老王妃に屠られ、その復讐に燃える現皇帝・夏高峻(いや、それなら夏侯とすべきでは?)との、共闘を描く中華“風”ファンタジーです。
意外と重い設定。そして、コミカルでありながらも、落ち着いた雰囲気の作りで好感が持てました。ちょっとこれは、今期のダークホース中のダークホースになるかもしれないです。
とりあえず初回の滑り出しは上々でした。これは継続視聴です。
=====最終話視聴後、追記です。
{netabare}
真面目に、粛々と作り上げた作品という印象。
基本、寿雪(烏妃)という不思議な術を使う妃の元に、死者絡みの相談に訪れる人達の問題を解決するショートストーリーの積み重ねといった内容。そこに、物語の根底をなす寿雪の生い立ち、烏漣娘娘(うれんにゃんにゃん)の謎などを解いていくストーリー構成です。
愛するものを失った苦悩を解消したり、寿雪を狙う者を成敗したりと、テンポの良いショートストーリーは観ていて飽きなかったですし、その中でしっかりと感動させる部分もあり、非常に秀逸な作品だったと思います。
もちろん、難点もいくつかあり、それは概ね作画と作風にありました。
まるで水墨画のような作画は、まあ良く言えば適度に手を抜いているといった感じ。キャラデザに関しては、昔の少女漫画のような雰囲気。特に髪の毛の生え際のごまかし方とかね。そんなだから主要キャストですら頭に残らない、似たりよったりのキャラデザで、しかもキャラ名が中国名だから、なおさらキャラ立てというのが出来ていなかったなという。
そこをクリアできていれば、寿雪と愉快な仲間たちという関係がきちんと描けていただけに、ちょっと残念な部分でもありました。
OPの女王蜂は、たぶん作風に合っていたのかもしれないけど、好きじゃなかったなぁ。主に声が。一方、EDのKrage「夏の雪」は、中華っぽいサウンドで曲も良くて素晴らしかったです。今期のエンディング大賞といってもいいでしょう。
非常に地味な存在で、綺羅星のように良作揃いの今期では話題に上ることはほとんどなかったのですが、とても堅実に楽しめる作品だったと思いますよ。ま、萌え豚さんには受けない作品だとは思いますが。
{/netabare}