ダリア さんの感想・評価
2.4
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
粗製乱造 Dark seeks lightがいかに凄い楽曲か語りたい
悪い意味でよくある、主人公のためだけの世界観が出来上がった闇の粗製乱造なろう小説を、ページのユニークアクセス数でしか作品の巧拙を判断できないの闇の制作会社各位が金だけ出して映像化したような作品です
在宅勤務という名のしょうもない雑務担当日に作業の裏で垂れ流していたら最後まで流れていただけで、最終回まで視聴した事にも特に意味はありません
よって言及する事もありません
こういったジャンルに少数の需要がある事は理解していますが私は魅力を感じません
が、OP映像の演出と楽曲のセンスはかなり良い方です
ニノミヤユイ「Dark seeks light」という楽曲ですが、これはアニソンの中でもかなり異質な作りをしている曲
以下、簡易的な楽曲解説です
入りからBメロまでトラックを支配しているのはボーカルの主メロのみで、バッキングギター、キーボード、シンセ、パーカッションぐらいしか他に音が鳴らない、アニソンはその性質上キラキラした音が重なった華やかなものになりがちなので、もうこの時点でボーカルの主メロが強調されます
そう、この時点で既に誘導は始まっている
同時に鳴っている音数が少ない、それでもバッキングギターの低音が不穏な響きを孕んでどこか閉塞感にも似た息苦しさを感じたまま楽曲は続きます
Aメロ(1)→Bメロ(1)→Aメロ(2)→Bメロ(2)あるいはCメロと通常ありえない特殊な展開の後、1分弱の長い長い溜めを経て、『ずっと』という力強い詩と一瞬のブレイクを挟んで遂に開放感のあるサビへ移行すると息を潜めていたストリングスと存在感を増したパーカスが主メロを彩り、一気にアニソンっぽさが出てくるんですね
抑圧から解放されたように音が広がる事でサビのメロが強く印象的に刻まれます
音数の少ない極めてシンプルな音選びをした曲でありながら、その実トラックの音作りはかなり緻密で複雑、(ビルドアップこそないものの)EDM的な展開のかなり挑戦的な楽曲で、これがコンペに勝って主題歌に抜擢されたのは凄い事だと思います
テンプレ的なアニソンに反旗を翻しつつ、よく聴けばその実さらに複雑なサウンドを選択している
少なくともその独自性は評価されているようで、公式のYoutubeチャンネルには
The Anime itself: 8/10
The opening: 10/10
This song: 12/10
と、アニメ自体の出来よりもOPアニメーションとOP楽曲のクオリティを高く評価する海外のコメントも寄せられています
このアニメ自体は論ずるに値しませんが、OP楽曲のニノミヤユイ「Dark seeks light」は一聴の価値があります
量産型アニメソングばかりを聴かされてすっかり耳が肥えたあなた方に、驚きをもたらすでしょう