「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(アニメ映画)」

総合得点
76.6
感想・評価
180
棚に入れた
729
ランキング
692
★★★★☆ 4.0 (180)
物語
3.8
作画
4.4
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
3.9

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takato さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

リアル系ロボアニメーションの新境地。「ガンダム」の真髄とは?。

 本作は見た瞬間から丁寧に作られたリアル系アニメーションとして出来栄えに感嘆するだろう。夜間の戦闘シーンのリアルな表現力の新境地は見事の一言に尽きる。ただ、「ガンダム」の真髄は凄いアニメーションなのか?という疑問が残る。あと、最近ツダケンさん乱用され過ぎぃ!。


 特に宇宙世紀作品、しかも富野さん作品において重要なのは強烈な作家性に裏打ちされた一筋縄ではいかないテーマ性に尽きるように思える。だからエンタメとしての爽やかさや割り切れる物語とはならず、掘っても掘っても掘り尽くせない語り尽くせない作品として伝説となったのだろう。スッキリしていて作品内で綺麗に完結している作品は見易いが、だからこそ語り合う余地があまりないから伝説とはなりづらい。


 本作は物凄い作画に力を入れてるのはわかるけど、この凄い技術は「ガンダム」というビックネームだからペイできるのかもしれないが、もっと自由に伸び伸びと他のリアル系作品で活かされるのが見たかったような気がする。「ガンダム」という名前はトンデモナイ大きさ過ぎるし、「富野ガンダムといえばこうやろ」っていうのが大きすぎるように思える。


 それにしても、別のとこでも書きましたが、近年評判の作品はとにかく整った作画を武器としてるけど、果たしてどこを見ても整ってるのが良い作画なのだろうか?。アニメーションの力は爆発するような感情や物語の高まりを表現するためにあるのであって、イマジネーションの高まりに合わせて活き活きと飛躍するところにあるのではないだろうか?。


 近年だと「モブサイコ2期」や「映像研」などは正にそれで本当に痺れたが、小綺麗で「リアル」な作画にはもう驚きも新味も感じない。リアルなCGのゲームとかも、じゃ実写でいいじゃんというような思いに囚われる。アニメーションの魅力は現実に近づけるという「リアル」ではなく、迫真という現実を超えた別の「リアル」を作ることにあるのではないだろうか?。私は少なくてもそういう作品こそ貴重に思える。

投稿 : 2023/04/14
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