二足歩行したくない さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ガンダム、再び大地に立つ
ガンダムの一話完結で終わったエピソードの一つ、『機動戦士ガンダム』 第15話 ククルス・ドアンの島 を再編集した劇場版作品。
元は20分少しくらいの話でしたが、劇場用に109分まで引き伸ばしたということになります。
ククルス・ドアンの島はファンの間では知られているエピソードですが、正直なところ、初代ガンダム的には無くても話が通じるくらい重要性は低い一話です。
事実、総集編である機動戦士ガンダム 劇場版三部作ではカットされており、どちらかというと作画崩壊が著しかった回としてのほうが有名ではないかと思います。
ただ、ストーリーは良く、印象深い1話であることは確かで、私の記憶にもしっかり残っています。
良い話ではありますが、なぜまたククルス・ドアンの島を劇場版にしたのだろうか、というのは疑問です。
ストーリーは、当然のことながら基本的には"ククルス・ドアンの島"を踏襲しています。
多少の加筆はあるものの、最初と結末は一緒でした。
逆に言えば、本作で追加されたような横の広がりは無いと言ってよく、新しい敵組織、匂わせ等は感じませんでした。
「本放送ではあっさり終わったけど、実はこういう思想のこういう組織が暗躍していて、この島での戦いがきっかけで後のこれにつながる」みたいな、ややこしい設定追加はなかったと思います。
そのため、昨今のガンダム作品では飛び抜けてわかりやすい作品でした。
登場するモビルスーツも、バリエーションはあるものの、基本的には、ガンダム、ザク、ガンキャノン、ジムくらいです。
ニュータイプ論もなく、本当にただ、ククルス・ドアン島で起きたある騒動を描いただけの劇場版で、逆に拍子抜けをしました。
ただ、登場人物や戦況の説明はなく、そもそもガンダムとは、モビルスーツとは、という説明は無いです。
ファーストのホワイトベースクルーやレビル将軍、ジオン側のマ・クベ大佐なんかが当然知っているように登場するので、一応、ファン向けの作品と思います。
ガンダムを見たことない方が、本作から見始めるとは思えないですが、話にはついていけない可能性がありますね。
見終わって、賛否のある作品だと思います。
他の方も指摘していますが、ストーリーに矛盾がとにかく多いです。
子供向けならまだしもファンしか見ないような作品なので、もう少し作り込んで欲しいと思われても仕方ないか思います。
個人的には、ファーストの懐かしいノリにチャンピオンまつりでも見ているような気持ちになってきて、そこそこ楽しめました。