てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人間とドラゴンの絆や愛。不人気だけど、異種間交流や活劇として申し分なく面白い。
ゴンゾのオリジナルアニメ。全25話+茶番おまけ回のOVA1話。
地球外生命体なドラゴンとレゾナンス(パートナー契約?)した主人公たちが、ドラゴンの母体?で人類滅ぼそうとする相手と交渉していく。
ドラゴンがゾイドみたいに変身してパートナー搭乗して戦闘機バトル(ひそねとまそたん的?)な感じ。
【良い点】
ボーイミーツガール、人間の少年とドラゴンの少女が数々の思惑や障害を乗り越えて愛し合うラブストーリーの軸がしっかりしている。
ドラゴンの少年ギオと人間主人公ジンの二人でドラゴンのヒロイン・トアを守ったり、想いがすれ違ったり、新海映画「雲のむこう、約束の場所」みたいな構図も良かった。
レゾナンスしたドラゴンはパートナーが思い描く理想の姿、という設定が、次第に活きてくるシナリオも良かった。
SFとしては「機甲創世記モスピーダ」や「蒼穹のファフナー」的な、宇宙から飛来した異種生命体とのコンタクト物として悪くない。
タナトス・マザーと呼ばれるドラゴンの母体?が、地球人とレゾナンス(契約?)して人間的感情得て変質した子供たちを汚染と見なして攻撃してくる、対する主人公チームは紆余曲折のドラマを経て人間とドラゴンの絆を示す流れ。
人間とレゾナンスしたドラゴンは契約で服従させられ、それは本当の感情にあらず?
そこから契約に縛られぬ本当の絆が芽生えていく。
悪役組がベタな暴君と奴隷関係で対比として分かり易い。
ジンとトワの愛が深まっていき、ラストはベタではあるが愛が地球を救う物語。
一人一人が違うから生きてる、永遠の命よりも閃光のように愛する者と生きたいなど、ベタだけど申し分ない結論。
人間とドラゴンのコンビ各々のドラマも丁寧、群像劇としても層が厚い。
複数の思惑が絡んでいて当初はやや複雑だが、各々が何をやりたいかは次第に見えてくる。
特に前半は腹に一物あるキャラ多く、隊長や指令や敵国指揮官などが互いに腹芸し合う不穏さが面白い。
中盤以降、実はドラゴンだった教授とか、復讐者だった指令とか、回が進む程捨てキャラが少ない。
毎話冒頭に過去回想で事情語ってから本編が多い。テンポはあまり損なっておらず、話の分かり易さに繋がった。
リンドブルム・ユニットの面々が次々に離反して主人公の味方増えてくる流れが良い。
主人公たちが様々な思惑に翻弄されながら一貫して愛に動き、徐々に他の軸も見えてきて、各キャラの思惑や目的が次第に収束していく感じで25話飽きさせなかった。
キャラクターはリンドブルム隊が良いチーム、男女ともに良キャラ多い。
基本シリアスだがノリが暗くない点も見やすい。
女の子はトアもさることながら、金髪ツインテツンデレ水樹奈々巨乳幼女なジークリンデちゃんがかなり可愛かった。
見た目も声も性格も可愛い、7話ベタな主人公と閉じ込められるイベントで交流、次第にジンにデレてくる。
18話父親との和解エピソードは良回。
モブに近いオベ子トリオも次回予告の茶番ではっちゃけたり、無能上司と思われた長官が終盤株上げるなどどのキャラも見せ場あり。
作画はチープさもあるがキャラデザは十分、特にジークリンデの胸元良し。
ドラゴンのデザインや3DCGの戦闘シーンも一級とは言えないが申し分なし。
OVAは完全ギャグ茶番、かなりはっちゃけていて笑える。
男塾とかパロディー乱発。
【悪い点】
序盤は設定やキャラ間の思惑が込み入っていてやや戸惑う。内ゲバばかりな印象。
主人公が状況に流されがちなのもあり、やや忍耐期間。
闇落ちした元親友がウザい。
あまり丁寧な掘り下げが無く、闇落ちの底が浅いのと、終盤改心して以降は株が上がるが唐突。
他にも敵国の王子と彼を愛する女指揮官とか、掘り下げが雑なキャラも複数。
組織から逃亡したり、囚われの恋人や仲間救出しなきゃ!的な展開が多くやや地味。
複数軸の群像劇は良かった半面、掘り下げはやや浅め。
タナトスとの対話がベタでアッサリ。
作品テーマの総括で一番盛り上げるべきシーンがイマイチなのは惜しい。
作画に不満は少ないが、全体的にはあまり良くはない。
バトルシーンが単調。
ドラゴンは変身中喋らないのも残念。パートナーと会話劇してほしかった。
【総合評価】6点
本サイト含めた感想サイトでは酷評が多いけれど、かなり面白かった。
自分的には隠れた良作。至らない点も多いけれど駄作ではないと思う。
評価はとても良いには及ばないが「良い」