ひろたん さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
まずは、旧作を観ましょう!
1話目では、旧作のリメイクかな?と思わされます。
でも、それこそが、ミスリードでした。
2話目で正式なタイトルが明かされます。
おいおい、新たなルートなのかよってぞっとしてきます・・・。
■旧作のキャラデザは、実は最高だったかも!?
{netabare}
旧作では、そのキャラデザに微妙さを感じていました。
特に古手梨花は、今では考えられないようなキャラデザでした。
一方、新作のキャラデザは、今風のアレンジがされていて確かに可愛いです。
でも、どことなくこれじゃない感があります。
いかに旧作のキャラデザが物語にあっていたかと言うことを逆に思い知らされました。
コメディに、豹変芸に、サイコホラーに、なんでも通用するキャラデザだったのです。
でも、この新作においても、物語が進み、その意図が見えてくると考えが変わります。
新作のキャラデザも、実は、物語にとてもあっているのです。
つまり、旧作と新作では、物語の目的や方向性が違うのです。
それは、次の『卒』を観ると納得できると思います。
{/netabare}
■やはり旧作ありきかも
{netabare}
旧作を知っていると、この新作は、とても楽しめます。
どこまでが一緒でどこから違うんだろうって。
旧作とのほんの些細な差から、ものすごい情報量があります。
そして、そこからいろいろな推察ができてとても面白いのです。
しかし、旧作を知らないと、ちょっと面白くないかもしれません。
と、言うのは、新作は、少しずつ大切な表現が抜けているからです。
そして、それが積み重なって、全体的にチンプンカンプンな展開となっています。
逆に旧作を知っていると、その少しずつ抜けている表現を補完することができます。
特に登場人物が、なぜ、その時、そのような行動をとったのかが分かります。
この作品の前半は、旧作の「出題編」に相当します。
でもこの新作が分かりにくいのは、「出題編」だからと言う理由ではありません。
「出題編」としての謎は新旧どちらも「解答編」を見るまでは分かりません。
そうではなく、旧作は、「出題編」だとしてもとても分かりやすかったのです。
それは、緻密な心情表現が土台となり場面の1つ1つが繋がっていたからです。
しかし、新作は、なんとなく場面間のつながりが弱い気がします。
ハッキリ言えばブツ切りなのです。
それは、旧作の場面と新作の場面を交互につなぎ合わせているせいかもしれません。
でも、それが、旧作を知っていると情報が補完されるのできれいに繋がるのです。
旧作は、小さくてもとても重くてどす黒い、そんな心情の積み重ねでできていました。
それが得体の知れない恐怖へとつながり、引き込まれていきます。
一方、新作は、所々、少しずつ抜けている心情表現が積み重なります。
その結果として、登場人物の心情が良く分からず、恐怖へもつながってきません。
旧作にはあった、場面場面の裏に常に見え隠れする一筋の得体の知れない恐怖。
それが、新作ではあまり感じることができませんでした。
やはり旧作ありきだと思います。
新作で抜け落ちているものを旧作から補完しながら分岐点を見つけるのが楽しいです。
{/netabare}
■まとめ
まずは、旧作を観ましょう!
なぜなら、新作は、旧作からの「続編」としては、とても良くできているからです。
今回、鍵を握るのは沙都子です。
そして、梨花のループの外側にさらに沙都子のループがあったと言う設定。
これには、さすがに驚きました。
旧作の否定になりかねない部分でもあるので、若干、複雑な気持ちはあります。
でも、脚本としては、上手いと言わざるを得ません。
旧作を知っていると、とても楽しめる作品だと思います。