てとてと さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
猫視点がユニークだけどラブコメとしてはイマイチ
佐藤順一監督(ともう一人の方)、岡田麿里脚本のジブリっぽい恋愛アニメ映画。100分ちょい。
(作品データベース様より転載)
【良い点】
ちょっとフシギ要素があるラブコメとして手堅い内容。
ヒロインのムゲが猫になって好きな男の子の本音聞いたり、猫ならではの視点や運動能力で活劇したり。
猫の描写が丁寧なので、ネコ好きには良さげなファンタジー。
ラブコメやジュブナイルとしては、素直になれない中学生男女の複雑なすれ違いを、マリー脚本特有の面倒くささで生々し…
もとい、瑞々しく描いている。
猫になって視点を変えることで大切な事に気付いたり、終盤の騒動でふたりの距離が自然に縮まる感じ。
声優陣は主演ヒロインの俳優を本職声優で固める布陣で安定感ある。
【悪い点】
モブの陰湿なイジメが不愉快。
机の下敷きになったがあまり留飲が下がらない。
全編通して鬱屈していて作風が重く、痛快さに欠ける。マリー脚本らしい生々しさも本作では裏目に出ている。
70分延々と陰気な現実パート、残り30分で手垢の付いた異世界パートという構成が微妙。
70分で溜まったフラストレーションを残り30分では解消できず。
ヒロインはキャラは立っているがあまり可愛く無く、相手男子も地味。
友人もあまり存在感無かった。
男子は後半ラスト30分辺りからの展開で活躍するも、それまでの経緯が面倒で、急にラブコメしている唐突感。
展開やセリフ回しもありがち、ヒロインたちに共感出来ないまま型通りのラブコメ会話と感じてしまった。
猫の異世界が手垢の付いた世界観描写であまり外連味感じない。
残り30分で急に出てきた善意の猫たちの助力も唐突で御都合主義感じる。
キャラデザが地味。
【総合評価】2~3点
サトジュンの無難さとマリーの偏屈さの各々悪い側面がミックスされてしまったか。
無理して(ニガテであろう)ジブリ風なラブコメ作ろうと試みて上手くいかなかった感。ジブリ風味と生々しい作風は相性悪い。
評価は普通〜良い辺りが妥当と思いつつ、普通寄りの「悪い」
劇場版クオリティーで手堅く纏まっている佳作だけど、全般的に無難な上に不快要素を挽回できる強みに乏しい。