あすは さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
タイトルなし
作品そのものについては、いまさら書かないけど、最終回について。
登場人物たちが流星群を見ながら、なぜか日本では大みそかの曲(笑)となっているベートーベンの第9の最終楽章が流れます(この流星の流れるさまがえらくリアルな描写です)。
自分は大みそかにも普段も聞いたりしないですし、むしろなんか大げさだなぁって感じで、好きな感じじゃないのですが、このアニメの最終回に流れる第9は、まあすばらしいの一言ですね。
音楽が作品を引きたててるともいえるけれども、逆に作品が音楽を高みに上げているということだってできる。
なんだろう、この感じ、ヨーロッパの気取った芸術系映画を見た後の印象に近いというか。。。「ヴェニスに死す」とか「ミツバチのささやき」とかの視聴後ってこんな感じだったような気がする(昔すぎて忘れたけどw)。。。アニメではほかにこんな感覚を感じさせるものは、皆無です。文字通り、この作品以外ではひとつもありません。
なんか割り切れないような、けれどもどこか腑に落ちたような、もやっとした気分。エンターテインメントは一晩寝ればいろいろすっきりして忘れちゃいますが、いい芸術系創作ってずーっとあとまで引くんですよね。
悲しいとか、嬉しいとか、そういう理解しやすい情感ではなく、なにかひとの心の奥底にわだかまっている原初的な感情の塊が、刺激されているような感じ?
作品の「深み」という意味で、「宗教的」な域まで達してると思う(特定の宗教ということではありません)。
まったくこの作品は、唯一無二であるといえると思います。
よくテレビで12話というアニメのスタイルで作れたなあ。