蒼い✨️ さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
マゾヒストの幻想。
【概要】
アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
2021年4月11日 - 6月27日に放映された全12話のTVアニメ。
原作は、pixivに投稿していたイラスト漫画を原型に、
『マガジンポケット』でweb連載するにあたり、
一般的な漫画作品としてリメイクしたもの。
著者は、ナナシ。
アニメ版の監督は、花井宏和。
【あらすじ】
風早高校2年生で、身長176センチ、
眼鏡にモコモコ髪の陰キャの美術部員の八王子 直人(はちおうじ なおと)は、
図書室で宿題をやろうとしていたら、たむろしていたギャルたちに、
昨夜に描いててバッグに入れてた自作漫画を見つけられて滅茶苦茶からかわれた。
ギャルたちは去っていったが、黒ギャルの長瀞 早瀬(ながとろ はやせ)だけ残ってて、
キャラや展開にダメ出しをしてきて、実際にそのとおりでもあるのだが、
更には小馬鹿にした口調で人格にまで踏み込まれてイジメられて涙目になる八王子だった。
と、最悪な出会いなのではあるが、
ドSな1年生の後輩である長瀞に会うたびにイジられ続けるセンパイ(八王子)ではあるが、
あまりにも距離感の近いスキンシップの連続に、
次第に彼女に対して被虐とは別の意味でのドキドキの感情が育っていくのだった。
【感想】
大人をからかうメスガキが、本当は『ス・キ』だからつきまとうといったサドデレ的なものが、
ネット上では一部の人間には大好評ではあります。長瀞さんは年齢的にはメスガキよりやや上で、
センパイとは一学年しか年齢差がありませんが、その先駆者に近いのかもしれません。
原作者のナナシ氏は過去には少女をイジめる系のイラストを多数投稿していたのですが、
長瀞さんを描いてるうちに知名度があがって行って、
黒歴史として性癖の産物であるリョナ系の作品を全部削除した経緯があるのですよね。
少女に腹パンしたりフェミ運動に活発な女子を成敗する漫画を描いてた別の漫画家が、
実はマゾヒスト願望があったのが発覚したことがあったのですが、
このナナシ氏にしても、サドとマゾの表裏一体の性質があって、
女の子をイジメたい→イジメられたいに作風が反転したというべきしょうか?
元々に、どっちにも快楽を感じる性癖の持ち主だったのかもしれませんけどね。
女の子にイジメられ続けるセンパイくんに共感性羞恥を刺激される、
マゾヒストくん向けの作品なのかな?と序盤のキツさに閉口していたのですが、
センパイと長瀞の関係性の変化と、上辺だけでなくて長瀞が本当はどんな人間であるかの理解。
意外と真面目だったり、自身の過去も関係していて本気で頑張ってる人間は馬鹿にしないのが長瀞。
センパイに対する独占欲や近づく女への嫉妬が丸出し、
口や態度はとんでもないけどスキスキオーラが丸出しな長瀞を楽しむ作品。
それらをきちんと抑えて観ていけば、実はそんなに悪いものでもないのですよね。
ただ、どうしてセンパイに惚れたのかもよくわからなかったりするのがやや難あり?
長瀞のSとセンパイのMがバッチリ噛み合った運命の出会い?
それは、理屈でなくて感覚的・衝動的なものでしょうかね。
センパイは気づいてないけど過去に既に会ってたということもありそうですけどね。
作中では非モテ男子のセンパイがギャルたちに囲まれて、からかわれながらも楽しく?やっていて、
そのギャルたちに塩対応されてる感じの目無し男子のチャラ男たちより、
センパイが実質的にカースト上位だったりして、
非モテ男子の願望みたいなものが、この作品にはありますね。
このように、創作は非リアルな要素を楽しむものでもあるのですが、
長瀞がセンパイに攻めてるつもりが無自覚無防備からの赤面が定番。
かまってほしくて敢えて密着してるのでもないとそんな距離感はありえないでしょ?と、
ここは敢えて突っ込まずに定番として楽しむべきなのでしょうね。
どんな形でも本人同士で通じ合ってれば良い、風変わりな純愛?の話ではあります。
最初はきつかったイジメみたいなイジり芸もだんだんマイルドになったり、
観てる方も慣れてきます。最初のヤマさえ乗り越えればなんとかなるのですが、
感情の起伏的に疲労感のあるアニメでしたので、2023年1月に2期が開始ですが、
やはり積極的にチェックして続きを観てみようとは思いませんでした。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。