シボ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
劇場で観た予告編が凄かっただけに・・・。
劇場の予告編を観た時のクジラが出てくる仮想空間の映像の凄さが
印象に残ってた作品です。
今回、配信で見つけてようやく視聴出来ました。
母を目の前で失ったトラウマを抱えるヒロインの少女すず。
残された家族は、ただでさえ悲しくて苦しい中
ニュースになっただろう母の行動に
様々な他人の意見、心無い声にさらされることが幼き少女に
大きな心の傷を刻んだんでしょう。
高校生になってもいまだ心の傷は癒えていません。
そんな彼女が
仮想世界で「ベル」として人気の歌姫になっていく序盤は
そのネット上の圧倒的な美しさ、そして物凄い数のアバター?達
が自由に飛び回る映像の凄さに何度となく見とれてしまいました。
仮想世界では嫌われ者の竜がその正体について多くの中傷や
怪しいというだけで間違った人への攻撃が行われています。
現実世界では幼馴染でイケメンのしのぶ君を誘惑したとの勘違いで
すずが炎上しかけます。
どちらの世界であれ真実とは別に誘導されていく噂や誤情報。
悪意のある言葉による攻撃の怖さが描かれています。
仮想世界で孤立する竜の心をベルが癒していく展開は正に
「美女と野獣」
そのままって感じで、このまま引き裂かれようとする二人の愛の
物語なのかなって観てました。
ところが、その竜の正体は虐待を受けてた子供だったって展開は
正直、え・・・・そうなるの?ってなっちゃいました。
それでも仮想空間内でベルの歌声を心待ちにする聴衆の前で
現実の姿を晒して心を込めて「はなればなれの君へ」を
歌い上げるすずの姿は胸に来るもの
あったし、その映像の美しさは思わず涙出るくらい感動しました!
ただ終盤の展開は駆け足感が強くてあれれ?って感じました。
仮想空間では竜の居場所を突き止めるのに苦労したり
正義面する輩から逃げたり色々大変だったのに
現実世界ではあっさりと兄弟と出会えて、暴力父親もすず一人で
撃退しちゃいます。
さすがにちょっと強引かな?って。
そして恋の行方も
自分的には美女と野獣を意識していたせいもあってか
竜としんじ君とすずの三角関係はどうまとめるのかなって思ってたら
初めから竜の子供はそういいうのじゃないんだ~ってなっちゃうのが
仮想空間では良い感じだったので、あっけないなって思いました。
予告編で期待してたほどではなかったけど
圧倒的な仮想空間での歌唱シーンはまた観たいです。