タック二階堂 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
幼年期の終わり。
詳細は劇場へ。あるいはNetflixの配信をご覧あれ。
で、終わってはレビューにはならないので、ネタバレを避けて感想を。
築60年というおばけ団地(いわゆる「団地ともお」が住んでいるような公団あるいは都営・市営団地)。住民は新たな団地へと転居し、いよいよ建て壊しという状況。そんな解体現場に、ヒロインの夏芽が入り込み、主人公の航祐たちが見つけ、屋上で揉め事を…
そんな折、夏芽が屋上から転落しそうになった刹那、なんと“おばけ団地”は海上を漂っているのであった。
という始まりです。
{netabare}
いわゆる「幼年期の終わり」といったストーリー。甘く、やさしい思い出。しかし、時代は移り変わり、自分たちも大人へと変貌していく。そんな幼年期に後ろ髪を引かれる子どもたちが、大人への扉を開くまでの物語といった印象を受けました。
建物を擬人化し、幼年期の自分たちを見守ってくれた存在として描くといった建て付けは、まあ想像の範囲内ではあるものの鉄板の面白さ。
荒唐無稽だが、劇場版のアニメ映画なんて、こういう空想劇こそ至高。
まあ、ある意味では新海イズムの“世界系”ではありますが、そこは「ペンギン・ハイウェイ」「泣きたい私は猫をかぶる」のスタジオコロリド。しっかりとファンタジーな世界観も見せてくれます。
声優陣も、主人公の航祐に田村睦心さん、ヒロインの夏芽を瀬戸麻沙美さんという、いわゆる「ちゃんとした声優」を起用しているのも好印象。まあ、そろそろ製作委員会も気づいたんでしょうね。アニメ映画に、へったくそな棒演技俳優を起用したところで観客動員にはつながらねえってことに。
文句のつけようがないです。うん。なんというか、鼻の奥がツンとなるような、遠い昔の置いてきたノスタルジーを思い出したような、そんな素晴らしい映画だったと思います。
うん、これ、僕は好きですね。
僕はネトフリで視聴しましたが、できれば劇場でご覧ください。
{/netabare}