えりりん908 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
果ての無い残酷
もう観終えてずいぶん時間が経ちました。
でも、今も、この物語の核心に近づけば近づくほど、
その果てしない、人の思念の強さと、人の生きる力の弱さの対比に、
いつも、打ちのめされてしまいます。
4期に入って、ハイファンタジーなのは誤解で、
実は現実世界にほど近いローファンタジーのストーリーなんだと突き付けられて、登場人物ひとりひとりの正義は検証され、解析され、解体され、すべての人の理念も行動も悪でも善でもあることが明らかになっていく。
その露悪的で断罪的な世界観。
一切の猶予も予断も許されず、ただただ、残酷な現実と、人という存在の悲哀が描かれ続けます。
巨人の存在が、すでに脅威ではなく、悲しいこと自体、残酷。
そこでは、無垢の巨人という淡い夢さえ、何の救いも無く。
どこまでも救いのない世界で、人々はそれでもあがき続け、それぞれの矜持をもって、生き、死んでいきます。
ここまでの残酷が描かれながら、物語は終焉を迎えることを許されない。
エレンの狂気は、何かのカタルシスをもたらすことになるのか?
瓦解した兵団の残滓たちに、それでも希望は訪れるのか?
世界は、何処に向かっていくのか?
「終わるオワル詐欺」とも巷で囁かれた第4シリーズですが、
次こそいよいよ、本当の終幕でしょう。
この悪夢に、とことん付き合い続けられた僥倖。
その終焉を心して、待ちたいと、思っています。