てとてと さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
記憶消され殺し屋にされた少年少女の切ないラブストーリー&ギャング劇。面白いんだけど20話以降の構成が拙い
ニトロプラス作品、全26話。
アメリカ旅行中の少年が暗殺現場目撃して殺されそうになったがマッドサイエンティストに才能見込まれ、記憶消されて暗殺者に。
同じ境遇の少女とバディ組んで、マフィア抗争や陰謀に巻き込まれながらアイディンティティー模索したり、ラブロマンスしたり。
【良い点】
記憶もアイディンティティーも奪われて殺し屋にされた少年少女のラブロマンスという作風に惹かれる。
主人公とヒロインが、最初は師弟関係(ヒロインが師匠)から、任務の死線を潜り絆が深まっていく。
マフィア組織内外の虚々実々の陰謀や抗争劇も中々面白い。
優男風なボス、その部下の女、主人公らを暗殺者に仕立てた男いずれも腹に一物あり。
敵対組織やら日本のヤクザ幹部の成り上がり、それを利用する陰謀などなど。
そこに組織最強の暗殺者な主人公ヒロインが巻き込まれる形のドラマが面白かった。
前半の方が面白い。10話まではノンストップの面白さ。
ストイックな殺し屋少女アインと任務でデートして可愛い一面見えたり、8話早々にツヴァイの記憶戻って逃避行や裏切り劇あるなどテンポが良い。
中盤もアイン(エレン)一旦退場して無垢な幼女を弟子にとって交流していく、主人公の殺し屋の苦悩や、暗殺師弟の狙撃ポイント探しがデート回みたいだったりと交流劇が良かった。
キャラクターはアイン(エレン)が可愛い。
ブルージェンダーとか、最初ヒロインが戦闘師匠で次第に立場逆転していく系は萌える。
冷徹で強く見えても内面は脆い、喪失したアイディンティティーを玲二に貰って惹かれていく、かわいい。
4話デート回があざとい可愛さ、石動乃絵ちゃんぽくて萌え(中の人的に)
中盤のキャルちゃんも良い子で可愛かった。
サブキャラに存在感あり。
組織内外の陰謀で各々の目標あり、芯が通った良キャラ多い。
悪女なクローディアの立ち回りと秘めた想いや、リズィとの友情ドラマは主人公組よりも深みあり。
リズィ姉さんはすごくいい女だった。
主役含めてどのキャラも切ない幕引き多く、印象に残る。
【悪い点】
マフィア幹部たちの抗争劇に尺取られてか、肝心の主人公ヒロインたちのドラマがやや手薄。
かと思いきや抗争劇も中途半端。
また11話19話と、2話も総集編に費やすならその分もっと掘り下げてほしかった。
20話以降の日本編がイマイチ。
玲二とエレンが組織抜けて普通の高校生活、かなり幼かったキャルちゃん2年で成長し過ぎなど違和感というか無理がある展開。
それはともかく、キャルが玲二を憎み暗殺者に変貌した過程が強引。
洗脳はされてないみたいだし。
その後キャル関連を引っ張っておきながら決着がアッサリだったり、最終話の盛り上がりに欠いたり。
ラストの切なさは悪いわけではないが、すっきりしない。
総じて全体の雰囲気や個々の良シーンは多いんだけど、構成の雑さが残念。
3部構成をうまく纏めきれなかったか。10話辺りがピークだった。
【総合評価】6点
捨て難い魅力がある一方で惜しい作品。
中盤のキャル編自体は良いんだけど、これ削って後半からエレンとの逃避行に徹した方が良かったかも。
ブラスレイターといい、ニトロプラスアニメは前半素晴らしいが終わってみると凡作が多い気が。
評価は10話までならとても良い、通して差し引き「良い」