てとてと さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
11分の自主製作アニメ。初期新海作品めいた雰囲気がかなり好み
ASIAGRAPH 2018年度 第ニ部門 最優秀賞受賞作品との事。youtubeで公開中。
高校?三年生の夏、ヒロインと男の子と女の子の三人で不思議な電車で異世界に迷い込む感じのジュブナイルファンタジー?
【良い点】
世にも奇妙な異世界行き電車とか、異世界シーンとかの幻想的な雰囲気が良い。
(ヲリノコトリ氏が書かれてますが)新海誠作品めいた良さ。
世にも奇妙な和風ホラーめいた怖さも心地良い。
ストーリーも細かい点はともかく、大枠は分かり易い。テーマも簡潔で分かり易い。
高校(中学かもしれないけど多分高校)三年の夏、子供と大人の境界線上で、未来に進むのは少し怖いかも…なヒロインの迷いを、序盤の詩的なモノローグで繊細に描きつつ、中盤の奇妙な異世界列車と異世界編を経て、ヒロインは未来を選び、少年は消えて一夏の夢が覚める?
ジュブナイルとしてはありがちなテーマではあるけれど、11分で素直に伝わってくる。
夏の風景や幻想的な背景描写は素晴らしい。鳥居など定番ではあるが日本ファンタジー。
キャラデザや構図はぎこちないかもしれないが、女の子はかなり可愛くて好み。
BGMがかなり良く雰囲気を盛り上げている。
声優陣は素人?の割には申し分なく、良い意味でアニメ演技。
よくアニメ演技嫌う映画監督いるけれど、自分的にはアニメなんだからアニメらしい演技で良いと思う。
【悪い点】
説明不足。長編映画のクライマックスだけダイジェストしてる感じ。
善戦はしているが11分では仕方がない。
キャラ同士の交流描写が薄い。
ヒロインにとって男の子がどういう存在かが弱いため、終盤のカタルシスがいまいち。
折角のボーイミーツガールなおいしいシチュなのに勿体無い。もう一人の女の子は空気。
この点は前半モノローグ多用して、キャラ間の会話劇が手薄だったのが良し悪しか。
【総合評価】5~6点
自主制作と11分の限界はあるものの、中々に自分好み。面白かった。
1時間くらいの劇場版だったら結構感動していた可能性。
ただ短いので繰り返して視聴してみたくなるので満足度は高め。
評価は「良い」