エイ8 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
名前覚え辛いです……
『86-エイティシックス-』(EIGHTY SIX) は、安里アサトによる日本のライトノベル。イラストはしらび、メカニックデザインはI-IVが担当している。電撃文庫 (KADOKAWA) より2017年2月から刊行されている。各巻冒頭部分が電撃文庫マガジンに連載されているほか、同誌およびカクヨムにて外伝が連載された。
分割2クールで、第1クールは2021年4月から6月までTOKYO MXほかにて放送され*た(wikipedia*一部補完)
ちょっとオサレな近未来バトルもののBGM大体澤野弘之説。
と思って調べたら特にそんなことは無かったので説立証ならず。
それはさておき何やら方々で評判が良かったので視聴してみることに。分割2クールものはレビュー数稼ぐのに助かります。
内容は一口で言うと近未来SF戦争もの、加えて少しのファンタジー要素が添え物としてある感じです。テーマはおそらく「愛」とか「想い」辺りでしょうか。差別意識が蔓延しているからこそより一層対比としてそれが浮かび上がってきている気がします。
難点としては登場人物が多い上にパラレイドを通じた音声通話が多く、またその上にパーソナルネームと呼ばれる厨二風ニックネームのようなものと本名が別々にあるため誰が誰だか把握しづらかったことは否めません。更に言えばその他の用語もオリジナルなのかどこかの外国語なのかわかりませんがとにかく直観的に把握しづらいものが結構多く、さも当然のようにスラスラ使われても正直認識し辛かったです。
それと、そもそもの舞台もちょっとよくわからないんですよね。当初大本営発表がやたらと「人道的」であることをアピールするということは、一般市民たちは86がそのような扱いを受けていると思っていないと推測したのですが、現実はむしろ国民の意志だそう。
だとすると何故わざわざあのような婉曲的な表現をするのが最初理解できなかったのですよ。というのも本作の舞台であるサンマグノリア共和国の86への扱いはほぼナチズムみたいなものなので、だとすれば「豚」を犠牲にすることに異を唱えようなものならそれこそゲシュタポやクリポのようなものに粛清されるわけですから別に隠す必要がないと思うのです。実際ヴラディレーナ・ミリーゼの親友()でもあったアネットが幼少の頃シンエイ・ノウゼン一家を匿うことに反対したのはリスクがあったからなわけですし。
と思って観ていたらどうも国際社会の目を意識しての模様……うーん、だとするとこれはこれであんなあからさまなジェノサイドが出来るのかという疑問があるわけなのですが。ひっそりと殺戮するならともかく散々ジャガーノートで派手に戦わせておいて墓を作らなきゃ死んだことにならないどころかそもそも存在しなかったことになるという発想はあんまりでしょwどう考えたって人のいた痕跡残りますよwよほど長年に渡り鎖国していたとかなら別かもしれませんが「国際社会」を意識している時点でそうではないでしょうし。実際のところ国際ジャーナリスト的ポジションはこの世界には無いんですかね?外交とか交易とかもどうなってるのでしょうね。
それにしても迫害行為がバレたら困るから全滅させるとか……短絡的にも程がありませんかね?アルバ至上主義なのはわかりますが単純に国力の問題とかもどのように考えてるのでしょうか?仮にレギオンがもう少しで動かなくなったとしても、外国がある以上は国防の観点から兵力自体は必要なわけですし。ま、ここまでとち狂ってしまった国家に正論は通じないといったところでしょうか。
そういえば「希望や理想を唱えるのは自由だがそれでは誰も動かせない」とおじ様から教わったミリーゼ少佐、はあさいでっかと言わんばかりに親友ヅラしていたアネットを脅して動かしたくだりが本作のハイライトだったんじゃないかなと思います。なんというかこれぞ「女の友情!」って感じですごく良かったです。
ミリーゼ少佐ことレーナさんは当初理想をこじらせた平等主義者と言った感じで描写されてたように感じましたが、まあ割と筋金入りなのかもしれませんね。少なくともシン自身が自分達が「絶滅」すると表現したところを彼女は「全滅」と言い直してましたし、最低限の配慮は出来る方な様子です。とはいえ「あなた達が全滅するまでに勝ちましょうw」と言った彼女に対するシンのリアクションは「これだから世間知らずのお嬢様はw」的なものなのか「この後に及んで自分は安全圏の銃後にいるつもりかw」なのかどっちかわからなかったですね。最初は後者だと思ってたんですが少なくともそれを揶揄したり皮肉ったような描写はでてこなかったので前者の方だったのかなという気が今はしてます。
本作はアニオリではなくラノベが原作としてあるようなので、読めばその辺の細かい疑問にも答えがあるかもしれないなあと思ってます。
追伸・wikipedia曰く
本作で描こうとしたものは「他人を自分と同じ人間として尊重すること。その上で後悔しないように生きること
だ、そうです。