てぶくろ さんの感想・評価
2.6
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
またひとつ「君の名は」の光につられた、夏映画の残骸。
{netabare}「君の名は」以降、雨後の筍のように背景や美術だけは素晴らしい作品、所謂 "劣化" な作品が増えましたが、この作品もそれらのひとつとして名を刻むこととなりそうです。
導入やら展開をオーソドックスにするのは大変結構なんですが、どこの工場から出荷されてきたんですか?っていうような量産型主人公でやられると、あまりにもベタすぎて正直観ていて恥ずかしくなるんですよね。
映像はキレイな分ラノベ原作の悪いところが浮き彫りになり、余計に寒々しい感じになっていました。
先程、オーソドックスな展開と言いましたが、この映画は全編 "っぽい" で構成されています。
なんとなく夏っぽくて、ボーイミーツガールっぽくて、家庭内の不和もあるっぽくて、切ない要素もあるっぽい、という。
なんというか夏映画の概念を見せつけられている気分になります。
もういい加減、【俺の考えた「君の名は」】を発表するのやめましょうよ…。
なんだか、一夏のボーイミーツガールにどんな特殊な舞台装置をつけるかの大喜利みたいになってませんか。
そういうのは飲み会とかでやりましょう。
最後に
この映画は原作のアニメ化という観点からすると120点だと思います。
素晴らしい作画と演出、美麗な背景・美術、無駄な部分は削られた脚本でダレることなく83分とすっきりとまとめられていました。
制作側では最善が尽くされていたように思いますが、原作のポテンシャルがそこまでだったのが残念です。
強いていうなら、企画が悪いと言ったところでしょうか。
面白い作品とは言えませんが、それでも、過ぎ行く夏を惜しむ今の季節には合っている作品なんじゃないでしょうか。
CLAPの新たな作品に期待です。 {/netabare}