退会済のユーザー さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
あたたかく、壮大な大河ファンタジー
(原作ゲーム未プレイ)
記憶を無くした男”ハクオロ”が、日本に似た戦乱の世界で
出会いと戦いを通して自らの運命に立ち向かう大河ファンタジー。
PCゲーム「うたわれるもの」シリーズ3部作中1作目のアニメ化。
最後までとても面白かった。
世界観とキャラの魅力で溢れていて、原作未プレイでも問題なく楽しめる。
メインの要素は合戦と家族愛で、どちらも作品の持ち味なのだが、
個人的には家族や仲間に焦点をあてた展開の方が好き。(どっちも好きだけど)
(前者については舞台の地理や用語の理解が追いつかないと面白さが
半減しうるが、後者はキャラと軸になる展開さえ掴めば楽しめるからかも)
記憶のないハクオロ・彼を支える少女エルルゥ・妹のアルルゥが中心となる
仮初めの家族ドラマがめちゃめちゃあたたかくて切ない。
本当の家族にはなれない分、残酷な戦国の世を生きている分、
エルルゥ・アルルゥの言葉や表情がめちゃくちゃ刺さる。
主人公の記憶がない・見た目が他の亜人と違う・外れない仮面をつけてる、
という1話からある謎を終盤で一気に回収する展開も王道で良い。
ただ、初見勢に対して不親切な点もあるので見る際は色々注意が必要。
作品固有の用語が多く予期せぬファンタジー設定が飛び出してくるので、
世界観を掴むのに時間がかかる、所々で説明不足な部分がある。
加えて、全75話程度で完結する内の26話分なので、
本作だけで全ての伏線回収や問題の解決を望まない方がいい。
あくまで壮大な大河ファンタジーの序章に過ぎないことを念頭におき、
説明がない部分はある程度割り切って見た方が楽しく見られる。
ただ個人的にこれらはむしろ長所でもあり、独特な作風で
王道な物語をやるのが「うたわれるもの」の良さだとも思う。
作画は今の作品の中でも割と良い方。古臭さはあるもののキャラデザは良いし
戦闘シーンは緩急ついててヌルヌル動く。あとopの完成度がとても高い。
Suaraさんの歌う曲も作品の大きな魅力。op「夢想歌」最終話ed「キミガタメ」は
とにかく歌詞が物語に合ってて、全部見終わった後に聞くと余計に神曲に感じる。
シリーズ続編を見た後に聞いてもいっそう沁みる。