でこぽん さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
誰か彼女たちを救ってください
悲しい、とても悲しい物語です。
プロの殺し屋として育てられた幼い少女たち。
彼女たちは『義体』という特殊な人工筋肉で強化されたサイボーグ。
そして『条件付け』という特殊な洗脳治療で過去の記憶を失くし、戦いに必要な知識のみとなっています。
しかも、数年もたてば、彼女らは全て寿命で亡くなる運命です。
そんな彼女たちが部屋で無邪気におしゃべりしているシーンを見ると、本来は癒されるはずなのですが、なぜか心苦しくなってしまいます。
主人公のヘンリエッタは背が低く、まだ小学生にも見えるほどの幼い顔立ちをした少女。
{netabare}彼女は『義体』になる前は、連続殺人犯により家族が殺され、彼女は一晩中暴行されていたそうです。{/netabare}
『義体』になる前も死ぬほどの辛い目に会い、『義体』になった後も明るい未来などない彼女。
唯一の救いは、彼女の担当官であるジョゼが、とても優しくしてくれること。
ジョゼはヘンリエッタを、まるで妹のように大切にしています。
他の『義体』の少女たちの担当官に比べると、雲泥の差です。
だからヘンリエッタ以外の少女たちは、さらに悲しい境遇です。
そして物語では悲しい出来事が起こってしまいます。
最終回は、彼女たちが第九の「喜びの歌」を歌いながら流星群を眺めるシーンで幕を閉じます。
まるで流星のように、彼女たちの短い命のきらめきが感じられました。
物語全体のBGMとして流れるパイプオルガンの音が雰囲気を重々しくしてますし、エンディングも輪をかけて悲しい歌です。
なぜ、こんな悲しい物語をつくったのかと、つくづくそう思います。
しかも、その暗く悲しい物語を毎回見ている自分は何なのだろうと思ったりします。
誰か彼女たちを救ってください。
無理なことだとわかってても、そう叫びたくなります。
これが私の正直な気持ちです。