タイラーオースティン さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
黒猫を通し、痛み、切なさ、温もりを感じる
背景が丁寧で音楽とも相まって温かみがあり、キャラデザも良好ではあるのですが、肝心の黒猫が可愛らしいというより整っている感じに描いていたのが特徴的でした。
そんな黒猫が語り手となり、飼い主である彼女を見つめていくのですが、なかなかシリアスな内容。彼女が子供の頃といい、大人になって友達とルームシェアから一人暮らしの時といい、メインなのは荒んでいる時期。あえて、目を背けたくなる場面を描くことによって人間の弱さというか繊細さが感じられました。そして、それに寄り添おうとする黒猫の心情やどうする事もできず、見守るしかないもどかしさ。
きっと、新海監督はそうした心の痛みや温かいぬくもりを描きたかったのかなと思いましたが、個人的には全編通して詩を読んでるみたいな感じでちょっとこっ恥ずかしかったかな。
良い作品だと思うけど、暗い内容ゆえにまた観たいとは思わないですね。