てとてと さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
異色の宇宙飛行&アイドルコメディー。ユニークな科学娯楽アニメ
売れないアイドルユニットが天才少年博士の奇想天外なアイディアで月を目指す。
ドタバタコメディー寄りな一方で、SF浪漫もあり。
【良い点】
「美少女でダチョウ倶楽部」な作風で、毎度非常識な月面飛行のアイディアと、翻弄されるアイドルたちのドタバタが楽しい。
ギャグ時空でなければ死んでる暴挙ばかり、ギャグアニメなので安心。
キャラデザやドタバタコメディーな雰囲気が子供向けぽく、ナンセンスだがユニークな発想の数々や、宇宙飛行における重量の大切さなどの科学知識などもNHKの教育アニメぽい?
ギャグアニメでありつつ、科学における情熱や自由な発想の大切さ的なテーマも良い。
前半は奇想天外なアイディアで失敗続き、6話で博士の過去回、毒親な母の冷徹な成果主義と対峙していく流れで、科学は結果ではなく、発想や過程が大事なのだと示していく。
結果だけ見れば最初に月にアイドル送れたのは母の勝ちだけど、最初に来るとかどうでもいい どうやってきたかではなく、来て何をするかが大事だと。
後半ストーリーで九十九博士の科学への姿勢と母との和解をやや強引ながら綺麗に描いた。
落ちこぼれアイドルたちが夢に向かってがんばる、アイドルアニメとしても意外と熱い。
九十九博士(13歳)の化石燃料を使わず月面到達する夢と、アイドルたちの情熱がシンクロしていく。
月でのライブシーンは素朴ながら良かった。
キャラが個性的で分かり易い。みっくすジュースの面々いずれもバイタリティーあって可愛い。
ロボット少女キクちゃんは博士の理解者として健気で特に可愛かった
胡散臭いお調子者プロデューサー・マイケル花形のコメディーリリーフも楽しい。
九十九博士とみっくすジュースが次第に良きチームになっていく感じが良かった。
キャラデザは子供向けぽいが可愛らしくて好み、特にキクちゃん。
頻繁に肌を晒す微エロ萌えもおいしい。00年代前半の深夜アニメな感じ。
奇想天外な月飛行ギミックなども勢いがある。
女性声優が歌う主題歌もいい感じの声優アニソン、歌詞が分かり易くテーマに沿っている。
【悪い点】
ギャグアニメなのか、真面目な科学番組なのか、やや中途半端。
ギャグとはいえもう少し考証がしっかりしていれば一段評価上げてた。
ドタバタギャグとしてはワンパターン気味。
どうせギャグ時空で死なんだろと序盤に分かって以降はあまり変わり映えがしない。
そこは妄想科学の考証でしっかり見せてほしかった。
中盤のシリアスも、話数が足りず展開が粗い。
博士と母の和解はいいんだけど、母の掘り下げが足りていない。
シリアスが続きやや楽しさもトーンダウン。
6~10話で実質完結、11話の単発回は悪くはないが唐突で本筋と無関係。
10話がピークで、そこに向かうまでがやや雑に感じる。
良い点と裏腹、露出が多いサービスシーン。
これの為に子供向け番組としては不適格。
(Moji氏が言及されている通り)
【総合評価】6点
独特なノリと勢いがあった科学娯楽アニメ。
こういうドタバタでカオスな感じは2010年代以降殆ど見ない、この時代のアニメ好き。
評価は「良い」