蒼い✨️ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
アニメは嗜好品。
【概要】
アニメーション制作:カラー
2021年3月8日に公開された155分間の劇場版アニメ。
総監督は、庵野秀明。
監督は、鶴巻和哉/中山勝一/前田真宏。
【感想】
長文書くのが面倒くさい作品ですので、思ったことをつらつらと。
エヴァってアニメでウルトラマンvs怪獣みたいなのをやっていて、
それを人型決戦兵器vs使徒で置き換えていて、それが生物ぽい動きであって、
ロボットアニメよりも特撮っぽいノリと脚色がウケた。
それと、思春期の少年の感性に突き刺さるキャラ付けと展開が良かった。
革新的な作品でリアルタイムで視聴者に与えた衝撃は大きかった。
思わせぶりな台詞、聖書から引用された設定の数々、謎で引っ張る。
これらからファンが妄想を膨らませて独自な解釈をしたりして、
それが楽しかったのは間違いないでしょうね。
それら含めてエンタメ作品として成立してはいましたね。
そのTV版から四半世紀たって、ようやく新劇場版が完結。
一応ぶん投げずに謎を回収してオチをつけたわけですが、
その上で、エヴァからの卒業。アニメファンよ!現実に帰還せよ!な内容。
そりゃね、TV版放送時に碇シンジと同年齢だった少年も、これが上映されたときは40歳。
ええ年してアニメ見てるやつは心にどこか問題ある。現実に足つけて生きなさいよ!
というメッセージ性が露骨。
脚本を書いた庵野秀明監督が特撮オタクだった自分がアニメ作ってばかりの人生で、
そこから40歳過ぎて安野モヨコと結婚して幸せだ。普通になるのは楽しいぞ!
という自分の気持ちをエヴァのファンに共感して欲しい。
エッセイ代わりのエヴァなわけですね。そこから農業生活をアニメで長々とやったり、
アニメはどうせフィクションだからまじになって考察するなよ!みたいなメタな演出。
監督の人生が作品に組み込まれていまして、
これを見て喜べる人は、庵野秀明監督個人のファンであると思っています。
他所のサイト見て思ったのですが、内容に反発してるひとが割と怒ってて、
賛否両論気味な評価の分布になってますね。
それが、おとなになりきれないアラフォーが図星ゆえか、
既におとなになった視聴者が周回遅れでのアニメでの主張に冷めた目で見てるのかは、
それは人それぞれでしょうけどね。受け取り方は千差万別ですけどね。
アニメは作り物であることを思わせる演出を何度もやることで、
アニメは芸術で人間の内面の真実が描かれてないと薄っぺらいと主張してる、
議論・考察好きのオールドアニメファンへの、強烈なしっぺ返しになってますね。
もともとが思春期の若者向けのコンテンツだったのが、
エヴァブームから大人の手垢がつきすぎてしまっていましたからね。
自分は、このシン・エヴァを見ててもあんまり面白くはなかったですね。
声優の演技とか良いのですが、謎とか心情を明確にするために長い説明台詞だらけ、
女にバブみを求める男のドラマやキャラクターの生き様・死に様に共感が無かったり、
CGだらけでよく動く戦闘シーンも『ふしぎの海のナディア』のニュー・ノーチラス号ほど、
ワクワクが無かったり。結局はエンタメ的には新味が感じられなかったのですね。
自分の中ではエヴァを楽しむ気持ちはとっくに薄れて無くなってしまっていたのですね。
ただ、物語の最後を見届ける。その意義だけはあった作品だとは思いました。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。