てとてと さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
殺し屋たちの軽快な群像劇。タイトルに反しあっさり味だが非常に上質
人口の3%が殺し屋という殺伐都市を舞台に、裏の住人たちが軽妙に繰り広げる群像劇。全12話。
【良い点】
殺伐とした暴力と日常風景が違和感なく溶け込んでいる、不思議な雰囲気。
「人口の3%が殺し屋の街」というハッタリが効いたキャッチフレーズ、殺伐さが日常茶飯事な一方で
街の大半は堅気なわけで、裏世界のマイノリティーたちが確かに存在しそう?な絶妙な舞台設定に。
にわか侍などシュールな暗殺スタイルと、プロの真剣な殺し合いが奇妙に噛み合っている。
そんな雰囲気で軽快に繰り広げられる暗殺サスペンスと群像劇、なんとなく「デュラララ!!」ぽさも。
主人公の事情や殺し合いの殺伐さはシリアスなのに、良い意味でアッサリした視聴感。
ストーリーは各キャラにスポットを当てつつテンポ良く綺麗に纏まっている。
皆が裏社会のプロであり、殺伐さが日常であり、自然体でコミカルとハードボイルドを体現していた。
殺し合いに感情移入しないスタンスがスマート。
終盤含めてシリアスは本気でも軽快さあり見やすい。
キャラ事情の掘り下げや交流はアッサリ気味だけど、裏社会で生きる者同士の連帯感が少しずつある感じ。
当初は誰も信じなかった主人公が、終盤の危機を相棒と切り抜けて、野球チームの一員に加わる。
タイトルの「博多豚骨ラーメンズ」は殺し屋たちの草野球チーム名、単なる野球回と思われた野球要素が、草野球のチームの繋がりを示していて、こういう関係も良いなと思わせる。
アクションもスマートでスタイリッシュ。
勝負が決まるときはアッサリ決まる。
楽曲が非常に良い。
スマートでスタイリッシュ、印象に残る。
【悪い点】
良い点と裏腹、ストーリーもキャラクターもあっさり味。
各キャラあまり馴れ合わないのは持ち味ではあるが、群像劇としては物足りない。
キャラの個性は申し分ないが、特別魅力を感じるキャラはいない。
キャラクター物としては華に欠け、共感しづらい作品。
【総合評価】7点
名店の上質ラーメンスープのような良質アニメ。
豊作な2018年度でも上位に入る高クオリティー。
ただその割には面白さは物足りず。
評価はとても良いが妥当と承知で「良い」